ダウ反落49ドル安、米金融政策会合控え様子見

29日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比49ドル41セント(0.12%)安の4万0539ドル93セントで終えた。
この日は重要な米経済指標などの発表がなく手掛かり材料に乏しい中、午前のダウ平均は前週末の大幅高を受けた利益確定の売りに押されやすい展開が続いた。

 
今週は米連邦準備制度理事会(FRB)が連邦公開市場委員会(FOMC)を開催するだけでなく、極めて注目度が高いマイクロソフトなどの米IT大手決算や米雇用統計の発表も予定されている。このため、これらの内容を見極めたいとのムードが強く、午後に入ると、ダウは前週末終値を挟んで狭いレンジでの値動きに終始した。
 
ダウ平均は前週末26日に654ドル高となり、主力株の一部には持ち高調整の売りが出た。前週末に20%あまり上昇していたスリーエムが安い。キャタピラーやインテル、セールスフォース、ゴールドマン・サックスも売られた。米原油先物相場が下落し、シェブロンも下げた。
今週は30日にマイクロソフト、31日にメタプラットフォームズ、8月1日にアップルとアマゾン・ドット・コムがそれぞれ2024年4〜6月期決算を発表する。時価総額の大きいハイテク企業の決算の内容を見極めたい市場参加者が多く、持ち高を一方向に傾ける動きは限定的だった。

30〜31日には米連邦準備理事会(FRB)がFOMCを開く。政策金利を据え置く公算が大きいが、次回9月の会合で利下げを始めるとの観測が高い。「パウエル議長の記者会見で政策見通しや景気認識に関する発言に最も注目している」(マーフィー・アンド・シルヴェスト・ウェルス・マネジメントのポール・ノルティ氏)との声が聞かれた。相場の方向感を左右しうる重要イベントを前に、投資家の様子見姿勢が強かった。

ダウ平均は上昇する場面もあった。マクドナルドが4%近く上げた。29日に発表した24年4〜6月期決算は減収減益だったものの、割安メニュー導入による業績期待などを背景に買いが入った。前週末に公開した映画が好調な滑り出しだと伝わったウォルト・ディズニーも高い。メルクやナイキも買われた。

ナスダック総合株価指数は続伸した。前週末比12.319ポイント(0.07%)高の1万7370.201で終えた。アナリストが高評価を示したテスラへの買いが目立った。アルファベットも買われた。一方、エヌビディアは下げた。

 
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
29日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前週末比95円高の3万8330円で終えた。
NYダウ平均は、今週の米連邦公開市場委員会(FOMC)などを控えて様子見ムードが広がり、方向感に乏しい中、反落した。
この日は米株式相場の上値の重さが目立ったが、日経平均株価は大きく上昇しており、シカゴ市場の先物には買いがやや優勢だった。
 
 
シカゴ日経225先物 (円建て)
38330 ( -120 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38390 ( -60 )
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8292.35(+6.64)

29日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続伸し、前週末比6.64ポイント(0.08%)高の8292.35で終えた。終値として5月下旬以来、約2カ月ぶりの高値となる。今週半ば以降に英国と米国で金融政策が公表される。英米ともに金融政策が利下げに向かっているとの観測が、支えとなった。

FTSEの構成銘柄では、小売り大手JDスポーツ・ファッションが4.14%高と上昇率トップ。通信大手エアテル・アフリカが2.91%高、英政府が保有株の売却を中止した金融大手ナットウエストが2.63%高と続いた。提供する一部製品を巡る訴訟リスクが意識されたレキットベンキーザーは8.76%安、賭け屋大手エンテインが8.07%安と大きく落ち込んだ。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18320.67(-96.88)

29日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前週末比96.88ポイント(0.52%)安の1万8320.67で終えた。29日のアジア市場で日本や香港といった主要な株式相場が上昇したのを受けてDAXも上昇して始まったものの、買いの勢いは続かなかった。

個別では、素材化学大手コベストロが1.93%安、自動車大手メルセデス・ベンツが1.78%安、前週に低調な決算を公表した化学大手BASFが1.68%安と下げを主導した半面、26日に2024年12月通期の1株利益などの見通しを引き上げた医薬大手メルクが3.13%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが2.25%高と買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7443.84(-73.84)

フランスCAC40種指数は0.98%安だった。大手企業の決算を控え、神経質な取引となった。
 

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