1日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比494ドル82セント(1.21%)安の4万0347ドル97セントで終えた。同日発表の7月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が市場予想を下回ったことなどが米景気懸念につながった。景気敏感株への売りが目立った。
前日に米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長が9月の利下げ開始を示唆したことが好感され、主要株価指数はいずれもプラス圏で取引を開始。ただ、この日発表された米経済指標で景気の冷え込みに対する不安が高まると、幅広い銘柄に売りが広がった。
市場参加者からは「景気後退までは起きていないが、弱くなってきている」(日系証券)との声が聞かれた。
ISM製造業指数は46.8と、6月(48.5)から低下し、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(48.9)を下回った。項目別では「雇用」などの低下が目立った。朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は24万9000件と、市場予想(23万5000件)を上回り、2023年8月以来の高水準となった。
指標を受けて米債券相場は上昇(金利は低下)し、米長期金利は約半年ぶりに4%を割り込んだ。
ダウ平均の下げ幅は一時740ドルを超えた。2日発表の7月の米雇用統計を見極めたい市場参加者が多く、引けにかけてはやや下げ渋る動きがみられた。パウエル議長が前日の会見で9月利下げの可能性を示したことは相場を下支え、主要指数は寄り付き直後に上昇する場面があった。
ダウ平均ではボーイングやシェブロン、キャタピラーなどの下げが目立った。一方、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やコカ・コーラなど生活必需品が上昇した。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比405.255ポイント(2.3%)安の1万7194.145で終えた。エヌビディアの下げが目立った。一方、前日夕発表の決算や見通しが市場予想を上回ったメタプラットフォームズが上昇した。
NYダウ 40347.97 ( -494.82 )
S&P500 5446.68 ( -75.62 )
NASDAQ 17194.14 ( -405.25 )
米10年債利回り 3.977 ( -0.054 )
NY(WTI)原油 76.31 ( -1.60 )
NY金 2480.8 ( +7.8 )
VIX指数 18.59 ( +2.23 )
【シカゴ日本株先物概況】
1日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前日比1810円安の3万6845円で終えた。
NYダウ平均は、米国の景気減速への不安が高まる中、3日ぶりに反落した。
同日は日米株式相場がともに下落し、日経平均先物にも売り圧力が強まった。外国為替市場で円高・ドル安が急速に進み、輸出関連銘柄の重荷になった面もあった。
36845 ( -1105 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
36895 ( -1055 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8283.36(-84.62)
1日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比84.62ポイント(1.01%)安の8283.36で終えた。1日発表の米景気指標が市場予想に反して前月から悪化したのをきっかけに1日の米株式市場で主要な指数が下げ幅を広げると、英国など欧州の主要な株式市場にも売りが波及した。
英イングランド銀行(中央銀行)は1日、0.25%の利下げを発表した。年内に追加利下げがありうるとの予想は投資家心理を支え、FTSE100種指数は上昇に転じる場面もあった。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが12.53%安と急落。1日公表した2024年1〜6月期の業績が市場予想を下回った資産運用大手シュローダーは9.73%安、金融大手ナットウエストは8.07%安と大きく売られた。他方、衣料小売り大手ネクストが8.33%高、24年1〜6月期の売上高などが市場予想を上回った航空機エンジン大手ロールス・ロイスが7.01%高と伸びた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18083.05(-425.60)
1日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比425.60ポイント(2.29%)安の1万8083.05で終えた。終値として6月中旬以来、約1カ月半ぶりの安値となる。1日に四半期決算を公表したフランスのソシエテ・ジェネラルの株価が下落し、ドイツ銀行と独コメルツ銀行にも売りが波及した。
欧州時間の午後に米株式市場で主要な指数が下げ幅を広げたのも、投資家心理を冷やした。
個別では、郵便・物流大手ドイツ・ポストが6.28%安、コメルツ銀行が5.40%安、航空機大手エアバスが4.39%安と下げを主導。一方、通販大手ザランドが2.61%高、不動産大手ボノビアが2.36%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7370.45(-161.04)
フランスの主要な株価指数であるCAC40は3営業日ぶりに反落し、前日比2.13%安の7370.45と1月中旬以来、約6カ月半ぶりの安値で終えた。金融大手ソシエテ・ジェネラル株が前日比約9%安となるなど、金融株が売られた。ソシエテ・ジェネラルは1日に増益決算を公表したが、市場ではフランス国内のリテール部門の純金利収入が予想に届かなかったとの受け止めがあった。
一部金融機関が目標株価を引き下げた仏航空機エンジンのサフラン株が下落したほか電機や消費など幅広い業種・銘柄に売りが広がった。CAC40の構成銘柄のうち37銘柄が下落した。