人工知能(AI)による業績拡大が期待され、これまで米株高をけん引してきた大型ハイテク株を中心に持ち高を解消する動きが広がった。ダウ平均の構成銘柄ではアップル(4.8%安)やアマゾン・ドット・コム(4.1%安)、マイクロソフト(3.3%安)が大きく下げた。市場では「明らかに買われすぎていたなか、24年4〜6月期決算でAIの業績貢献が現時点で限られることが分かったのも売りにつながった」との声が聞かれた。
「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は不安心理が高まった状態を示すとされる20を大幅に上回った。一時は65台と新型コロナウイルス禍の20年3月以来の高水準となった。
ダウ平均の構成銘柄は全て下げ、インテルやシスコシステムズ、ビザへの売りが目立った。ナイキやIBMも下落した。
ナスダック総合株価指数は大幅に3日続落した。前週末比576.082ポイント(3.43%)安の1万6200.082と5月上旬以来の安値で終えた。次世代AI半導体の出荷が遅れると伝わったエヌビディアが大きく下げた。テスラやメタプラットフォームズも下落した。
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は下落した。9月物は前週末比1760円安の3万3190円で終えた。
【欧州株式市場】
幅広い業種・銘柄に売りが広がり、FTSE100種指数を構成する銘柄はほぼ全面安となった。原油先物相場が下げ幅を広げ、英シェルなどエネルギー株に下落圧力がかかる場面があった。
DAX 17339.00(-322.22)
5日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前週末比322.22ポイント(1.82%)安の1万7339.00で終えた。終値として2月下旬以来、約5カ月半ぶりの安値となる。米経済の減速懸念や中東情勢の緊張の高まりが投資家心理を冷やした。
5日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は市場予想を上回った。米景気に対する過度な不安が後退し、5日の米株式市場で主要な株価指数が下げ幅を縮小すると、DAX指数も取引終了にかけて下げ渋った。前営業日と比べた下落率は前週末2日(2.33%)より小さかった。
個別では、エネルギー大手イーオンが4.73%安、通販大手ザランドが4.31%安、自動車大手フォルクスワーゲン(VW)が3.16%安。一方、5日公表した2024年4〜6月期決算で特別項目を除く1株利益が市場予想を上回った半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは1.71%高、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズは0.47%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7148.99(-102.81)
フランスの株価指数CAC40は3日続落し、前週末比1.41%安の7148.99と2023年11月中旬以来の安値で終えた。前週末の低調な米雇用統計を受けて米国の景気後退懸念が強まる中、欧州株にも売りが膨らんだ。
