6日午前の日経平均株価は大幅に反発し、午前終値は前日比2957円90銭(9.40%)高の3万4416円32銭だった。終値ベースの上げ幅で過去最大だったのは1990年10月2日の2676円55銭で、6日の前引け時点ではこれを上回った。
日経平均は前日に4451円安と過去最大の下げ幅を記録していたことから、自律反発を狙った海外短期筋の買いが優勢となった。
前日までの急落の反動で日経平均株価は大幅反発に転じた。一時3400円を超える上昇をみせ3万5000円台回復まであと一歩の水準まで上値を伸ばす場面があった。前引け時点でも3000円近い上昇をみせている。前日に日経平均はブラックマンデー時を上回る過去最大の下げ幅を記録したが、きょうは空売り買い戻しや押し目買いが活発化しリバウンド局面に移行した。前日までの3営業日合計で日経平均は7600円以上も下落していたこともあり、戻り足も大きくなった。
日経平均は10時過ぎに上げ幅を3400円超まで拡大し、上昇率は10%超に達した。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日発表した7月のサービス業景況感指数は51.4と6月(48.8)から改善して好不況の分かれ目となる50を上回った。市場で「投資家の不安心理がいったん和らいだ」との声が聞かれた。
米長期金利の下げ止まりで、外国為替市場では円相場が一時1ドル=146円台と、前日に付けた141円台後半から円安方向に振れたことも自律反発狙いの買いに弾みをつけた。ファストリなどの値がさ株が軒並み上昇したほか、トヨタをはじめ自動車や機械など輸出関連株の上昇も目立った。
大阪取引所では日経平均先物が大幅高となって9時前に制限値幅に達し、取引を一時中断する「サーキットブレーカー」が発動した。東証株価指数(TOPIX)先物も10時前に同じくサーキットブレーカーが発動し、取引が一時中断した。
いったんは売られ過ぎ是正の動きで買戻し優勢の地合いとなったが、日経平均VIは49ポイントとボラティリティはまだ高い。上下に振れやすい地合いは変わらないことから、後場急変動の可能性は意識しておきたい。このままの上げ幅を維持すれば、日経平均の過去最大の上昇幅(1990年10月2日の2676.55円)を上回ることとなる。それでも7月の史上最高値からの下落幅に対する3割戻し程度だ。今回のように一度壊れた市場が落ち着きを見せ、腰を据えた投資家の買いが再び入るには数カ月はかかるだろう。後場、上げ幅縮小を警戒しつつ、日経平均やTOPIX、グロース市場250指数など主だった指数がどこまで値を戻せるか注目したい。
TOPIXも大幅反発した。前引けは207.06ポイント(9.30%)高の2434.21だった。JPXプライム150指数も反発し、95.13ポイント(9.51%)高の1095.40で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆8435億円、売買高は17億6850万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1581。値下がりは48、横ばいは9だった。
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、海運業、その他金融業、保険業、輸送用機器、ゴム製品、精密機器の上昇率が大きかった。
個別では、第1四半期決算が評価されて日本製鋼所がストップ高買い気配となったほか、売買代金2位の三菱UFJフィナンシャル・グループが高く、東京エレクトロン、ディスコ、レーザーテック、ルネサスエレクトロニクスなど半導体主力株も値を飛ばした。日経平均採用銘柄では、昨日年初来安値を更新したキーエンスもストップ高買い気配。このほか、キッコーマン、オリックス、東京海上ホールディングス、富士電機がストップ高。トヨタ自動車が買われ、ソフトバンクグループ(SBG)も上げも目立つ。荏原製作所、TDK、日東電工が大幅反発となった。
半面、三井住友フィナンシャルグループが売られたほか、JFEホールディングスも軟調。味の素、東京精密が大幅安となった。ポーラ・オルビスホールディングスも安い。
4-6月期純利益が市場予想に届かなかったことから味の素が下落したほか、ヤマトHD、コニカミノルタが売られた。
