6日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比294ドル39セント(0.76%)高の3万8997ドル66セントで終えた。
6日の東京株式市場では、米景気の減速懸念を受けて前日に史上最大の下げ幅となった日経平均株価は一転し、過去最大の上げ幅を記録した。欧州市場もおおむね上昇し、世界同時株安はひとまず収まった。
前日まで大きく下げていた後で、自律反発を狙った買いが優勢となった。下げがきつかったハイテク株や景気敏感株などが上昇した。ダウ平均の上げ幅は700ドルを超える場面があったが、取引終盤に急速に伸び悩んだ。
ダウ平均は前日までの3営業日で2100ドルあまり下落し、6月中旬以来の安値を付けていた。米国景気の減速に対する懸念などが重荷となってきたが、「株式市場は過剰反応だ」との声もあり、株式を買い直す動きが広がった。
金利の低い円を借りて他の資産で運用する「円キャリー取引」の解消がこのところの株安につながったとの見方がある。6日の外国為替市場で急激な円高・ドル安が一服したことも投資家心理の支えとなった。
ただ、ダウ平均は取引終盤に上げ幅を縮めた。「恐怖指数」とも呼ばれる米株の変動性指数(VIX)は前日から低下したものの、不安心理が高まった状態とされる20を上回っている。株式相場の変動が大きくなっているため、持ち高を減らす目的の売りが出やすかった。
ダウ平均の構成銘柄では、ダウやJPモルガン・チェースなどが上昇した。アマゾン・ドット・コムとマイクロソフトも買われた。朝発表の2024年4〜6月期決算で1株利益が市場予想を上回ったキャタピラーも高かった。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンとボーイングが下げた。
ナスダック総合株価指数も4営業日ぶりに反発した。前日比166.773ポイント(1.02%)高の1万6366.855で終えた。エヌビディアやメタプラットフォームズが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
6日のシカゴ日経平均先物は上昇した。9月物は前日比415円高の3万3605円で終えた。
NYダウ平均は、前日に大きく売り込まれた反動で買い戻しが入り、4営業日ぶりに反発した。
この日は米主要株価指数が大幅に上昇し、日経平均株価は過去最大の上げ幅となったため、日経平均先物には買いが活発となった。
シカゴ日経225先物 (円建て)
33605 ( -635 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
33720 ( -520 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8026.69(+18.46)
6日のFTSE100種総合株価指数は4営業日ぶりに反発し、前日比18.46ポイント(0.23%)高の8026.69で終えた。前日までに相場水準が大きく切り下がっていたため、目先の戻りを見込んだ買いが入った。6日の米株式相場が上昇して始まったのも、投資家心理を支えた。
FTSEの構成銘柄では、投資会社メルローズ・インダストリーズが6.64%高、一部金融機関が目標株価を引き上げた航空機エンジン大手ロールス・ロイスが5.57%高、投資信託スコティッシュ・モーゲージ・インベストメント・トラストが4.95%高とけん引。一方、不動産サイト大手ライトムーブは4.34%安、産金大手エンデバー・マイニングは4.00%安、同業フレスニロも3.09%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17354.32(+15.32)
6日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに小幅に反発し、前日比15.32ポイント(0.08%)高の1万7354.32で終えた。6日の日経平均株価の反発に続き、米株式市場でも主要指数が上昇して始まり、投資家心理を支えた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが3.59%高、航空機大手エアバスが2.16%高、防衛大手ラインメタルが2.03%高と買われた。半面、6日公表した2024年4〜6月期決算で、特殊要因を除くEBITDA(利払い・税引き・償却前利益)が前年同期比で2ケタの減少となった製薬大手バイエルは5.94%安と急落し、通販大手ザランドが2.41%安、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズが2.19%安で続いた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7130.04(-18.95)
フランスの株価指数CAC40は4日続落し、同0.26%安で終えた。仏BNPパリバなど金融株に売りが出た。欧州鉄鋼大手アルセロール・ミタル株は買われた。9