言いなりからの脱却

「言いなりからの脱却」

NY株式市場は3指数揃って小幅に上昇。
北朝鮮問題の地政学リスクの後退から一応指数的には上昇といった印象。
FOMC議事録での一部の委員のコメント。
「低インフレの傾向が一時的であることが明確になるまで追加利上げを見送るべきだ」。
利上げ先送りの姿勢が垣間見え方向感の薄い展開。
12月の利上げ確率は45%と、前日の48%から低下した。
もっとも市場が利上げ見送りの方向を歓迎している。
一方でトランプ大統領が助言組織の「製造業評議会」と「戦略・政策フォーラム」を解散したことは悪材料された。
時間外取引では、ネットワーク機器のシスコシステムズの決算が軟調だったことから2.3%下落。
債券市場では10年国債利回りが下落(価格は上昇)。
ドル円は110円台前半での動き。
VIX(恐怖)指数は11.74まで低下した。
VXV(3ヶ月後の変動率)も13.61と低下。
欧州株式市場は英独仏と揃って3日続伸。

前場は小幅高で後場は小幅安の展開だった水曜。
「売り買いの材料に乏しいまま下げて終えた」という見方だ。
決算一巡で東証一部の売買代金は7月25日以来の2兆円割れ。
本来は市場参加者が少ない8月に2兆円超を継続したほうが異常だったとも言える。
本来の姿に戻ったと言えようか。
もっともマザーズ指数は2%超の上昇。
東証1部の苗上がりランキングなどからは個別材料銘柄の活躍が見られ始めたことは好感されよう。
短期筋は元気な姿勢復活という解釈ができよう。
もっともメリルリンチの8月世界機関投資家調査。
「世界の株価は割高である」から「割安である」を引いた数字が46%。
調査開始の1998年以来の割高感という。
225先物大商夜間取引終値は日中比10円安の19720円と小動き。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲8.34%。
(前日▲6.88%、8/9 ▲3.13%)。
買い方▲14.93%(前日▲17.18%)。
新興市場にとっては好材料だ。
空売り比率は39.3%とかろうじて40%割れ。
8月10日時点の裁定買い残は241億円減少し1兆5869億円。
裁定売り残は102億円増加し2773億円。
裁定はやる気なしの状態が継続している。
10年国債利回りが0.004%まで低下しておりまだ債券を買おうとする動きがある状態。
この動きが止まらないと2万円は見えてこないだろう。
昨日1416円台と過去最高水準となった日経平均採用銘柄のEPSは1415円。
PERは13.94倍と依然14倍割れ。
ボリンジャーのマイナス2σ19661円とマイナス1σ19816円のレンジの可能性は高いと見る。
一目均衡の雲の下限19731円を下回らないことが重要だ。
25日線19972円はまだ上の位置。75日線が19912円。
日々20円程度その差を縮めておりこのまま行けばあと数日で4月7日以来のデッドクロスの可能性がある。
その時は約1ヶ月後の5月19日にゴールデンクロスして復活したのが今年の歴史。
「閑散に売りなし」という格言もあることはある。

今朝の日経朝刊「大機小機」は「トヨタとマツダの持ち合い」だった。
海外投資家からの問い合わせは「業務提携はわかるが、なぜ500億円の株式持ち合いが必要なのか」。
展開されたのは株式持ち合いの弊害。
「資本の空洞化、株主による経営監視機能の形骸化、企業統治の弱体化など」。
スチュワードシップコードでは機関投資家に対話を通じた企業の中長期的な成長を促すことを求めている。
株式持ち合いはこうした活動を空洞化する」。
本当にそうなのだろうかと言う疑問は呈されたことはない。
外国人の言うこと、学者さんの言うことは正しいという余談と偏見なのだろうか。
株式持ち合いがあると、対話ができないということはないだろう。
逆に言えば株式持ち合いをやめても企業の不祥事は消えなかったというのが歴史でもある。
「株の持ち合いは日本だけの慣行で、他の株主の権利を毀損する行為だ」。
本当に他の株主の権利を毀損しているのかどうか。
そもそも他の株主の多くは株価の上昇こそ第一義だろう。
だとしたら浮動株の減少は株価の上昇に繋がることも多い筈。
「株の持ち合いで希薄化を生じさせるのはおかしい」。
だったら会社側ににそう言えば良いだろう。
株主総会で「持ち合いはおかしい」という声を聴くことは滅多にない。
海外投資家の要望をそのまま聞いて株式持ち合いをやめて起こったことは株価の下落。
それでも「なんでもかんでも持ち合いは反対」というのはある意味ナンセンスだ。
求められるのは「言いなりからの脱却」と「自分で考えること」だろう。
筆者の妻からの質問が「トヨタとマツダってなんでお互いに株を持つの?」。
そして「きっと日本を変えるのは外国人と女性に違いない」。
これは賛同できる意見だった。

【世界主要国上場企業の 業績予想とPER&PER】(8月10日現在)

○日本
売上高3.4%増、 EPS11.2%増、 PER13.9倍、PBR1.25倍
○米国
売上高5.3%増、 EPS11.1%増、 PER18.0倍、PBR2.92倍
○英国
売上高5.7%増、 EPS9.4%増、  PER14.7倍、PBR1.85倍
○ドイツ
売上高3.7%増、 EPS9.1%増、  PER13.1倍、PBR1.60倍
○中国
売上高10.6%増、 EPS15.2%増、PER13.6倍、PBR1.70倍
○香港
売上高6.0%増、 EPS8.3%増、  PER16.4倍、PBR1.28倍
●世界
売上高6.5%増、 EPS11.0%増、 PER16.0倍、PBR2.09倍

NYダウは25ドル高の22024ドルと4日続伸。
NASDAQは12ポイント高の6345ポイントと反発。
S&P500は3ポイント高の2468ポイントと反発。
ダウ輸送株指数は6ポイント高の9377ポイント。
3市場の売買高は58億株と低調。
CME円建ては大証比20円安の19710円。
ドル建ては大証比15ポイント安の19715ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比10円安の19710円。
ドル円は110.16円。
10年国債利回りは2.226%。
非公式外資系5社動向は売り690万株、買い700万株。
金額ベースは19億円の買い越し(3日ぶり)。
売りは石油・ゴム・不動産・建設・通信・陸運・機械・証券セクターなど。
買いは精密・電機・情報通信・輸送用機器・小売・化学・薬品・保険セクターなど。

◇━━━ カタリスト ━━━◇
 
ラクス(3923)・・・動兆
 
ラクスに注目する。
同社はクラウドとIT人材派遣で「メールディーラー」が収益柱。
「楽楽精算」が拡大基調。
受注増を狙った新CM投入に期待感。
立会外分売による需給関係の悪化を警戒して株価は急落した。
しかし背景は株式の流動性向上と将来のファン作りへの布石。
素直に考えれば押し目形成ということ。
まだ業績から伺われるのは設備投資優先の姿勢だ。

(兜町カタリスト櫻井)

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