「IFA」
決算短信の内容省略が相次いできた。
「短信の内容省略は企業の負担を減らし速報性を高める狙い。
しかし投資家からは企業の情報開示の後退」との指摘。
もっとも、もともと「短信」だ。
必要なことは「決算説明資料」に記載してある。
だったらあの「当期の日本経済は・・・」で始まるようなものはなくてもいいだろう。
「追加資料を出さず、会見もしない企業は投資判断をしにくくなる」という声もある。
だったら一部の企業意外の会見会場の閑散さというのは何なのだろう。
ある上場企業の役員氏は「投資家ホットライン」を考えていると言っていた。
それこそが「投資家との対話」の第一歩。
逆に市場関係者側が胡座をかかずに汗を流すことも必要だろう。
ファンドマネージャーやアナリストとのミーティングにこよなく優位性を認めるIRでは仕方がない。
重要なことは、ルールは変えることができるということ。
十年一日の如く金科玉条のように守るだけでは芸がない。
むしろ「省略も可」とするべきだろう。
日経朝刊2面では「動かぬ個人資産1800兆円」の第4回。
IFAは独立系の投資アドバイザー。
証券会社や銀行など既存の金融機関から独立した立場で資産運用を助言する。
「富山のFanに在籍する35人のIFAはほぼ全員が証券会社の第一線で活躍してきたトップセールスだ。
運営する尾口紘一も08年に日興コーディアル証券からの独立を決意した。
リーマンショック後のどん底から地道に顧客開拓を続け口座数は5000を超えた」。
7月の富山のIR株式セミナーを主催してくれたのがこのFanだった。
富山という地方都市で、来客は120名超。
その秘密はココにあったのかという気がする。
別のIFAの述懐。
「商品を売るだけでいいのか」。
3月に大手証券から独立した男性はそんな疑問を抱いていた。
現場には常に「必達のノルマ」が課せられる。
会議で進捗が確認される中で「顧客の資産だけでなく数字を作ることが最大の課題となっていた」。
何十年も前の現場時代のことが思い起こされる述懐だ。
それでも当時は「投資家は背中を押さなければ動かない。仮需を作ることで証券市場を活動させている」。
無理やりそう思うこともあった。
確かに当時は証券営業マンがいなければ株式市場の売買高は10分の1程度に減少したかも知れない。
しかし、それは所詮思いあがりの世界。
業界には「友達に持つなら医者・弁護士・証券マン」という言葉もあった。
実際は「友達にしないなら証券マン・不動産と先物の営業マン」だったかも知れない。
「お話しましょう」というCMがあったが「お話したくない」というのが投資家の本音だったかも知れない。
気がつくまでに多くの時間が必要だった。
そして今は「お話しても答えてくれない」証券マンと株価ボードという怨嗟が聞こえてくる。
「米国では個人の金融商品販売でIFAのシェアは6割を超える。
日本ではまだ発展途上で数%にも満たないが、IFAを志す「脱サラ組」の健闘は、
金融商品の販売現場を変える可能性を秘める」。
そうなって欲しいものである。
(櫻井)。
