ダウ平均の構成銘柄ではないが、半導体のクアルコムが大幅高となった。前日夕発表の2024年1〜3月期決算が市場予想を上回る内容だった。エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株も上昇し、米株相場を押し上げた。
ただ、ダウ平均は伸び悩む場面があった。2日発表の1〜3月期の米労働生産性(速報値)では、企業の賃金負担を示す単位労働コストが前期比年率で4.7%上昇した。伸びはダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(4.0%)を上回った。「インフレ率を(FRBの物価目標である)2%に向かって持続的に低下させていくことを困難にさせる」との見方があった。
ダウ平均の構成銘柄では、ボーイングやアマゾン・ドット・コム、アップルの上昇が目立った。ナイキとゴールドマン・サックスも高かった。半面、スリーエムやハネウェル・インターナショナル、ジョンソン・エンド・ジョンソンは下落した。
ナスダック総合株価指数は3日ぶりに反発した。前日比235.477ポイント(1.50%)高の1万5840.958で終えた。アルファベットやネットフリックスが上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSEの構成銘柄では、2日発表した2024年1〜3月期決算は利益水準が市場予想を上回るなど好調だったスタンチャートが8.78%高と相場全体をけん引。段ボール大手スマーフィット・カッパが5.76%高、保険大手プルデンシャルが3.35%高で続いた。
一方、ホテル大手ウィットブレッドは3.16%安、保険大手ビーズリーは2.96%安、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.93%安だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
2日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前営業日4月30日の終値に比べ35.67ポイント(0.19%)安の1万7896.50で終えた。
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長はその後の記者会見で、高金利が長期化する可能性に言及。これを受けて市場では早期利下げ観測が後退し、欧州株の重しとなった。
個別では、通販大手ザランドが4.66%安、一部金融機関が目標株価を引き下げた半導体大手インフィニオン・テクノロジーズが4.23%安、航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.78%安と売られた。半面、製薬大手バイエルは2.85%高、電力大手RWEは2.08%高、分子診断大手キアゲンは1.29%高で取引を終えた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.88%安だった。早期利下げ観測が後退し、欧州株の重しとなった。
