17日のNYダウ工業株30種平均は反発し、前日比134ドル21セント(0.33%)高の4万0003ドル59セントで終えた。15日以来となる過去最高値を更新し、終値ベースで史上初の4万ドル台となった。
今週発表された米経済指標でインフレ鈍化の兆しが示されたことで、米連邦準備制度理事会(FRB)が今年後半に利下げを始め、経済成長も維持されるとの見方が強まった。この日は金価格が史上最高値を更新し、銅や原油価格も上昇。素材やエネルギー関連銘柄を中心に買いが入った。
ダウ平均は下げに転じる場面もあった。17日の米債券市場では長期金利が前日終値(4.37%)を上回る水準で推移し、株式の相対的な割高感も意識されやすかった。市場では「米株相場は4月の下落局面から回復し、買われすぎの水準になった」との声が聞かれ、主力株の一角には利益確定売りも出た。
来週にはエヌビディアの決算発表が注目される。人工知能(AI)関連の需要を見極めたい雰囲気が強い。小売企業の決算発表も控えているほか、今後の経済データなど新たな取引材料を待つ投資家も多く、株式相場の上昇をけん引してきた主力ハイテク株の一部には売りが出た。
ダウ平均の構成銘柄では、キャタピラーやJPモルガン・チェース、ボーイングが買われた。ウォルマートやアメリカン・エキスプレスも高い。原油先物相場が上昇し、シェブロンも上げた。一方、アムジェンやコカ・コーラ、マクドナルドといったディフェンシブ株は下落した。
ダウ平均は週間では5週連続で上昇し、490ドル高となった。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比12.355ポイント(0.07%)安の1万6685.966で終えた。エヌビディアやブロードコムなど半導体株の一角が売られた。半面、アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)は高い。マイクロソフトが自社のクラウド事業の顧客にAMDのAI向け半導体を使ったサービスを提供すると伝わった。
ナスダック指数は週間では2.1%高と4週連続で上昇した。
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比185円高の3万8745円で終えた。金や銅の価格上昇や米景気に対する楽観的な見方を背景に同日の米株式市場でダウ工業株30種平均が初めて終値で4万ドルを達成し、日経平均先物にも買いが波及した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
38745 ( +5 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
38755 ( +15 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
17日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比18.39ポイント(0.21%)安の8420.26で終えた。欧州や米国の長期金利が17日の取引で水準を切り上げ、投資家心理の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが5.52%安、建機レンタルのアシュテッド・グループが4.51%安、高級衣料のバーバリーが3.51%安と下げを主導した。
一方、産銅大手アントファガスタは3.55%高、産金大手フレスニロは3.36%高、資源大手リオティントは2.41%高と買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
17日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比34.39ポイント(0.18%)安の1万8704.42で終えた。欧州中央銀行(ECB)の利下げ観測の後退や欧米の長期金利上昇が重荷だった。
個別では、エネルギー大手イーオンが5.22%安、通販大手ザランドが3.72%安、医療機器のザルトリウスが3.28%安。半面、コメルツ銀行は1.98%高、ドイツ取引所は1.68%高、香料大手シムライズは1.57%高で引けた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.26%安(週間は、0.63%安)だった。
