227円安と続落 金利上昇に警戒、不動産が安い
22日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比227円58銭(0.58%)安の3万8719円35銭だった。
21日の米株式市場でNYダウは反発し、ナスダック総合株価指数は連日で最高値を更新した。米経済の軟着陸期待が続いた一方で、半導体株は総じて下落した。東京株式市場ではハイテク関連株を中心に売りが優勢となったほか、主力株の一角に持ち高調整目的の売りも膨らんだ。日中は先物主導で売り圧力が強まり、日経平均株価は3万8600円台前半まで下落する場面があったが、75日移動平均線を支えに下げ渋る展開となった。米半導体大手のエヌビディア<NVDA>の決算発表を日本時間23日未明に控えるなかで、決算内容を見極めたいとの投資家も多く、次第に模様眺めの雰囲気が強まった。
米利下げによる米経済の軟着陸(ソフトランディング)期待から主力株に買いが入った。日経平均との連動性が高いとされる主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下げ、午前の東京市場では東エレクやスクリン、アドテストが下げた。
国内金利の上昇が業績の逆風になるとの見方から三井不や住友不といった不動産が売られた。22日午前の国内債券市場で長期金利の指標となる新発10年物国債利回りが一時0.985%と、2013年5月以来11年ぶりの高水準をつけた。一方、金利上昇が業績拡大の追い風になるとみられる銀行や保険など金融株には買いが入るなど、金利動向をにらんだ物色がみられた。
今のところ、日経平均への影響は限定的と思われるが、為替が円高に振れる可能性はあることで注意したい。後場の東京市場は、明日のエヌビディア決算を前にしたポジション調整に留まり、日経平均、TOPIXともに小動きとなりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは14.89ポイント(0.54%)安の2744.83だった。JPXプライム150指数も続落した。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9104億円、売買高は7億6567万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1111。値上がりは498、横ばいは40だった。
業種別株価指数(33業種)は精密機器、海運業、不動産業が下落。上昇は保険業、証券・商品先物取引業、情報・通信業など。
個別では、東京エレクトロンやアドバンテスト、ソシオネクストが下落し、トヨタ自動車と三菱商事、三井不動産が軟調推移。ファストリ、住友ファーマが下げた。日本郵船やINPEXが安く、堀場製作所が水準を切り下げた。
半面、ニデックが大幅高となり、日本電信電話とソフトバンクグループがしっかり。ダイキン、神戸鋼は上げた。東京海上ホールディングスと三越伊勢丹ホールディングスが逆行高で、TDKが堅調に推移した。
