反落201ドル安、エヌビディア決算待ち

22日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比201ドル95セント(0.50%)安の3万9671ドル04セントで終えた。

人工知能(AI)開発に使われる半導体で圧倒的なシェアを持つエヌビディアの決算に対し、市場参加者は「事前予想を上回るだろう」と期待。この日は取引時間を通じて持ち高調整の売りが先行した。

 米連邦準備制度理事会(FRB)が同日公表した前回の金融政策決定会合の議事要旨では、インフレリスクが浮上すれば追加利上げする意向の参加者が数人いたことが明らかになった。市場で利上げの可能性がやや意識され、終盤にかけダウ平均は下げ幅を広げた。

前回のFOMCはインフレ鈍化を示した4月の米消費者物価指数(CPI)発表前の開催だったが、「市場ではタカ派的に受け止められた」との声があった。

ダウ平均は前週末に初めて節目の4万ドルを超え、S&P500種株価指数なども前日にかけて最高値を更新した。年内の米利下げ期待や米経済への楽観を背景に相場上昇が続いてきたため、過熱感が意識されやすかった。ダウ平均は一進一退で始まった後、午後に主力株に持ち高調整や利益確定の売りが広がり、下げ幅が300ドルを超える場面があった。

ダウ平均の構成銘柄ではないがエヌビディアが通常取引終了後に発表する2024年2〜4月期決算や5〜7月期見通しを見極めたいとして買いを手控える動きもあった。エヌビディアの業績はデータセンターや人工知能(AI)開発需要の勢いを映し、相場全体やハイテク株全般の先行きに影響を与える可能性がある。エヌビディアは反落して終えた。

ダウ平均の構成銘柄ではないが、小売りのターゲットが大幅下落した。22日朝発表した四半期決算で1株利益が市場予想に届かなかった。決算説明会の幹部コメントなどからも米消費の先行き不透明感が意識され、相場の重荷となった面があった。

ダウ平均ではダウやゴールドマン・サックス、ホーム・デポなどが下げた。シェブロンやスリーエムも売られた。一方、ジョンソン・エンド・ジョンソンやベライゾン・コミュニケーションズなどディフェンシブ株の一角は買われた。

ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比31.080ポイント(0.18%)安の1万6801.544で終えた。アルファベットやネットフリックスの下げが目立った。

 


【シカゴ日本株先物概況】

22日のシカゴ日経平均先物は下落した。6月物は前日比225円安の3万8635円で終えた。この日は米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受けて早期の米利下げ観測がやや後退。

米半導体大手エヌビディアの決算発表を取引時間終了後に控える中、米株式相場が下げたほか、日経平均株価も下落しており、シカゴ市場の先物には売りが優勢となった。

シカゴ日経225先物 (円建て)

38635 ( +15 )

シカゴ日経225先物 (ドル建て)

38650 ( +30 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 8370.33(-46.12)

22日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日比46.12ポイント(0.54%)安の8370.33で終えた。終値として約2週間ぶりの低水準となる。22日発表の英物価統計を受けてインフレの根強さが意識された。英利下げ期待の後退とともに英長期金利が上昇し、投資家心理を冷やした。

FTSEの構成銘柄では、産銅大手アントファガスタが6.39%安と急落したほか、資源大手グレンコアが3.38%安、オンライン食品販売大手オカド・グループも3.24%安となった。

一方、流通大手マークス&スペンサーは5.19%高、包装資材大手DSスミスは2.61%高、小売り大手B&Mヨーロピアン・バリュー・リテールは2.51%高と買われた。
 

 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18680.20(-46.56)

22日のドイツ株価指数(DAX)は続落した。前日比46.56ポイント(0.24%)安の1万8680.20と、約2週間ぶりの安値で終えた。独メルセデス・ベンツグループやBMWなど自動車株が下げ、指数の重荷となった。

自動車株の下落は、中国が大排気量エンジンの搭載車の輸入にかかる暫定税率を最大25%まで引き上げる可能性があると伝わったことが材料となった。

個別では、素材化学大手コベストロが4.07%安、高級車メーカーのポルシェが3.87%安、医療機器のザルトリウスが2.33%安と下げを主導。半面、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.74%高、香料大手シムライズは1.93%高、医薬大手メルクは1.69%高だった。

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 8092.11(-49.35)

フランスCAC40種指数は0.61%安だった。この日発表された4月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比で伸びが鈍化したものの、サービス価格の伸び率は引き続き高水準だった。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次