296円高と反発、半導体がけん引

 
23日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比296円38銭(0.77%)高の3万8913円48銭だった。上値では利益確定や戻り待ちの売りに押されて伸び悩んだ。
 
エヌビディア<NVDA>が好決算を発表したことを受け、半導体関連株を中心に買いが膨らんだ。日経平均株価は、上げ幅は一時300円を超えた。一時上昇幅が縮小する場面があったが、売り一巡後は再び値を戻した。注目を集めたエヌビディア決算は市場予想を上回る結果となり、生成AIに絡む半導体需要の強さを再認識させた。ただ、4月30日~5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録ではインフレに対する警戒感が示されたこともあり、全体相場の上値は抑えられた。
 
米国の時間外取引でエヌビディア株は上昇し、1000ドル台に乗せる場面があった。東京市場でも東エレクやアドテストに買いが入り、日経平均を押し上げた。 日銀が通知した定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)では残存期間「5〜10年」など3本とも購入予定額が据え置かれた。日銀が購入減額を進めるとの見方が一部にあったため、据え置きによって一定の買い安心感にもつながった。
 
ただ、東証株価指数(TOPIX)は下げに転じる場面もあり、相場全体の地合いは強くないとの見方もあった。米連邦準備理事会(FRB)が前日に公表した4月30日〜5月1日開催分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を受け、米市場での早期利下げ観測が後退したのも投資家心理の重荷となった。日銀が金融政策の正常化を進めるとの観測が引き続き根強いことも相場の上値を抑えた。  
 
TOPIXは反発し、前引けは10.13ポイント(0.37%)高の2747.49だった。JPXプライム150指数は反発し、6.98ポイント(0.58%)高の1212.32で前場を終えた。
 

 



午前の債券市場では、長期金利の指標である新発10年物国債利回りは前日比0.005%下落の0.995%で推移した。前日の反動に伴う債券の買戻しとの見方だが、1.000%を付ける場面も見られるなど引き続き、日銀による国債買入減額への思惑が強まっている。株式市場では、不動産株が総じて弱い一方、銀行株ははっきりしない動きと物色の方向感には乏しい。金利上昇に伴うデメリットの反応のみ強まっている状況で、投資家のモメンタムはさほど強くないと見る。前場はエヌビディア決算に対する半導体株の上昇が日経平均を押し上げたが、東京エレクトロンの上値の重さを見る限り、後場の日経平均はじりじりと上げ幅を縮小する可能性もあろう。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆2836億円、売買高は8億120万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は824。値下がりは758、横ばいは66だった。
 
業種別株価指数(33業種)は繊維製品、精密機器、電気機器などが上昇。石油・石炭製品、非鉄金属、鉱業は下落。
 
個別銘柄では、レーザーテックやディスコ、東京エレクトロンが高く、アドバンテストやTOWAが値を上げた。ソフトバンクグループも買われた。日立製作所やソニーグループ、キーエンスもしっかり。帝人やヤマトHD、アステラスが上げた。
半面、三井住友フィナンシャルグループや三菱商事、三菱地所が安く、ENEOSホールディングスや住友金属鉱山も軟調だった。DOWAや三菱マ、ENEOSは下げた。
 
 

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