31日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前日比65円83銭(0.17%)高の3万8119円96銭だった。
前日のNYダウは330ドル安と下落し、半導体関連などハイテク株が軟調でナスダック指数も値を下げた。ただ、日経平均株価は昨日までの3日間で800円強下落していたことから自律反発狙いの買いが流入した。銀行や電力、不動産株などが高い一方、半導体関連株が下落している。
日経平均の上げ幅は一時280円近くに達した。ただ、前日の米株式相場が下落するなど一段と買い進む手掛かりには乏しく、上値の重さも目立った。
30日のニューヨーク債券市場で米長期金利の指標となる10年債利回りは4.54%に低下した。31日の国内債券市場で新発10年物国債の利回りは1%台で高止まりしているが、このところ一方的な金利上昇が株安を促す場面が目立っていたため、短期的な金利上昇の一服感が株の見直し買いにつながったとの見方があった。
3万8000円近辺での押し目買い意欲の強さを指摘する声も多い。市場では「企業が自社株買いを積極的に実施するなど株価を意識した経営にかじを切っており、下げた局面では押し目買いを入れたい投資家は多い」との声が聞かれた。
長期金利の指標である新発10年物国債利回りは1.060%あたりで推移しており上昇基調は一服。日本銀行が本日通知した今月最後の定例の国債買い入れオペ(公開市場操作)では、残存期間「5年超10年以下」など5本すべての購入額を前回から据え置いたことで、日銀による金融政策の早期正常化への思惑がやや後退した様子。ただ、本日夕方に発表される6月のオペ運営方針や6月日銀金融政策決定会合への思惑は根強いことで、引き続き債券市場は上下に振れやすい状況と言えよう。
本日は大引けでMSCI定期見直しに関するリバランスが発生することから、大きな需給イベントを前に様子見姿勢が強まることで、後場の日経平均は前日終値水準でのもみ合いとなりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは17.11ポイント(0.63%)高の2743.31だった。JPXプライム150指数も反発し、3.60ポイント(0.30%)高の1195.70で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆264億円、売買高は7億5600万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1233。値下がりは365、横ばいは49だった。
業種別株価指数(33業種)は証券・商品先物取引業、不動産業、電気・ガス業、石油・石炭製品が上昇率上位。パルプ・紙、保険業は下落。
個別銘柄では、三菱UFJフィナンシャル・グループや三井住友フィナンシャルグループが高く、東京電力ホールディングスや北海道電力が値を上げた。三菱地所や住友不動産、三井不動産も買われ、ファーストリテイリングやソフトバンクグループ(SBG)やトヨタ自動車やホンダ、テルモが買われた。
半面、レーザーテックやディスコ、東京エレクトロンが安く、アシックスや三菱商事、ニデックが値を下げた。ファナックや荏原、MS&ADが下落した。
