3日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比43ドル10セント(0.11%)安の3万9127ドル14セントで終えた。インテルやウォルト・ディズニーといった個別の材料が出た銘柄に売りが出た。半面、米長期金利の上昇一服でハイテク株が買い直され、相場を下支えした。
朝方発表された米サプライ管理協会(ISM)の3月の米サービス業購買担当者景況指数(PMI)は前月から低下し、市場予想を下回った。米連邦準備制度理事会(FRB)による年内の利下げ回数減少を巡る警戒感が後退し、ダウは一時130ドル超上昇。取引中盤まで底堅い値動きが続いた。
ただ、半導体受託製造部門の業績悪化が嫌気されたインテルが大きく下げ、8%安で終えた。機体の問題に悩まされている「737」型機の低水準の生産を巡る報道が出たボーイングなどに売りがかさみ、ダウは終盤にマイナス圏に沈んだ。ディズニーは3日に開いた株主総会で、会社提案の取締役候補全員を選任したと発表。アクティビスト(物言う株主)による業績改善圧力が後退するとの見方から売りが優勢となり、3%安だった。
週末の米雇用統計を控えて警戒感が広がっており、終日比較的小幅なレンジでの商いだった。
アトランタ連銀のボスティック総裁は同日の米CNBCの番組で、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策について、年内の利下げが1回にとどまるとの見方を改めて示した。米債券市場では長期金利が上昇。一時は4.42%と2023年11月下旬以来の高水準を付け、株式の相対的な割高感が意識された。
パウエルFRB議長は昼の講演で、最近の経済指標を受けてFRBの(インフレ沈静化への)見方を本質的には変えていないと語った。「我々は今後のデータが金融政策の方向性を決めるまでの時間がある」と、従来の姿勢を強調した。市場では「年内に3回の利下げを6月から始めるという基本シナリオは変わらない」と受け止められた。
米長期金利の上昇が一服すると、ハイテク株を中心に買い直す動きが広がった。同日発表の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は51.4だった。市場予想(52.7)を下回ったものの、好不況の境目とされる50を超えた。市場では「1日発表の製造業景況指数も50を上回り、良好なデータが米景気への楽観を強めた」との声が聞かれた。
その他の個別ではプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やボーイング、ハネウェル・インターナショナルなどが下げた。一方、ダウやアマゾン・ドット・コム、アップルには買いが入った。
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比37.009ポイント(0.22%)高の1万6277.458で終えた。メタプラットフォームズとテスラが上げた。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は上昇した。6月物は前日比360円高の4万0030円で終えた。この日は日経平均株価が下落したものの、日本株の先高観は根強く、シカゴ市場の先物は買い優勢となった。
NYダウ平均は、取引終盤にインテルなど一部銘柄に売りが膨らみ、3日続落した。
シカゴ日経225先物 (円建て)
40030 ( +500 )
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
40065 ( +535 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7937.44(+2.35)
3日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比2.35ポイント(0.02%)高の7937.44で終えた。中東情勢の緊迫などを背景に原油先物相場が上昇し、英BPなどエネルギー株に買いが集まった。
国際商品先物市場で銅やアルミニウムなどの先物価格が上昇し、スイスのグレンコアや英アントファガスタなど鉱業株にも買いが優勢となった。英HSBCホールディングスなど銀行株も買われた。HSBCは、マーク・タッカー会長がアジア事業のスピンオフ(分離・独立)の可能性を否定する考えを改めて示したと伝わった。他方、英ユニリバーなど日用品株や、蒸留酒の英ディアジオといった飲食料品株の一角に売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、産金大手フレスニロが3.66%高で上昇率トップ。金融大手バークレイズが2.40%高、同業スタンダード・チャータードが2.24%高で続いた。一方、通信大手BTは4.60%安と急落。工業・電子製品大手RSグループと自動車保険のアドミラル・グループもそれぞれ3.17%安、3.02%安となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 18367.72(+84.59)
3日のドイツ株価指数(DAX)は反発し、前日比84.59ポイント(0.46%)高の1万8367.72で終えた。欧州でインフレの鈍化基調が続いている様子を示す経済指標を受け、欧州中央銀行(ECB)が6月にも利下げに動くとの観測が投資家心理の支えとなった。
個別では、自動車大手BMWが4.88%高、コメルツ銀行が4.61%高、フォルクスワーゲン(VW)グループの持ち株会社ポルシェSEが3.29%高と上げを主導。半面、商用車大手ダイムラー・トラックは1.95%安、化粧品大手バイヤスドルフは1.93%安、自動車部品大手コンチネンタルは1.78%安と売られた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 8153.23(+23.18)
フランスCAC40種指数は0.29%高だった。
