「春の嵐」
結局4月の気紛れな「春の嵐」が吹き荒れたということだった印象。
先物プレイヤーが「買ってもダメなら売ってみな」を実践した足跡は手口にも表れていそう。
結果的に「花びらは満開。
そのうち散るかも知れないが、緑の新芽が登場する」というような格好だろうか。
格言は「4月高、鯉のぼり天井」。
そんな単純な相場観で良いのだろうかという疑問は残るが・・・。
「4月17日は下げの特異日」というアノマリーもある。
2013年の春の記録。
↓
日経平均株価の1~3月の上昇率は19.3%。
昨年10~12月と合わせた2四半期の上昇率は36.5%。
小泉政権時の05年7~12月の35.9%を抜いた。
1972年7~12月の37%以来の大きさとなった。
72年当時は、同年7月に「日本列島改造論」を打ち出した田中角栄内閣が発足。
同9月に日中国交正常化が実現した。
立花証券顧問の平野憲一の指摘。
「72年当時と今の経済環境や株価の動きはものすごく似ている。
国際会社型投信(IOS)の破たんやニクソン・ショック後に超金融緩和が起こり、
株価が上昇しているときに列島改造論の田中内閣が発足し、結局14カ月連続して株価が上昇した」。
一方で現在は・・・。
「リーマン・ショック後の金融緩和で株価が上昇しているときに安倍内閣が誕生。
8カ月連続で株価が上昇している。
もし当時と同様の動きをするなら、なお上昇が続くことになる」。
大和総研の試算によれば、東証1部の72年末の実績PERは27.6倍、予想PERは19.22倍。
直近ではそれぞれ27.4倍、22.7倍。
PBRは当時の2.88倍に対し、現在は1.27倍。
因みに今年。
3月月間ベースで日経平均株価は3.1%%高、3カ月続伸(累計20.6%上昇)。
日経平均は月間で1203円(3.1%)高。
第1四半期では6902円(20.6%)高。
23年度1万2328円(44%)高。
過去2四半期では8452円(26.5%)上昇。
アベノミクス当時には及ばなかった。
「桜の樹の下には屍体が埋まっている」と書いたのは梶井基次郎。
奇妙な言葉だが、相場もニュースを食べて成長していくもの。
できるならば、苦いものではなくしっかりとした栄養のある美味しいニュースを食べて成長して欲しいもの。
何を買うではなく何をどう利益確定するのか。
180度異なるこの視点は結構新鮮。
ベテラン投資家さんの含蓄に満ちた言葉に聞こえる。
ゴールからスタートする視点を持てればいいということだろう。
つまり「何を買うか」ではなく「どう売るか」。
言いかえれば「呪縛からの解放投資戦略」。
これが今年度もテーマとなる。
「花は盛りに、月は隈なきをのみ見るものかは。雨に向かひて月を恋ひ、垂れ籠めて春の行方知らぬも、なほあはれに情け深し。
咲きぬべきほどの梢、散りしをれたる庭などこそ見どころ多けれ」(徒然草137段)。
花は満開のときだけを、月は雲りがないのだけを見るものであろうか、いやそうではない。
降っている雨に向かって(見えない)月のことを慕い、すだれを垂らして室内にこもり春が移り行くのを知らずにいるのも、やはりしみじみとして情趣が深い。
今にも咲きそうな梢、花が散ってしおれている庭などにこそ見るべき価値がたくさんある。
吉田兼好法師の「徒然草」。
株式市場も同様で満開のサクラや雲のかからない満月だけが投資対象という訳ではなかろう。
これから咲き誇る蕾や満開に咲いたものの今は散っているが次の芽を育てている銘柄だって十分に投資対象と考えられよう。
「相場川柳」をいくつか・・・。
「やっぱり」と思う相場に後悔し」。
上か下 でも当たらない 摩訶不思議
もうかった同じ服着てパソコンに
分析も、いざとなったら、思惑に
見送りを 決めたとたんに 乗り遅れ
趣味特技、高値掴みと底値売り
朝投げて、後場買い上がり2時に投げ
くれてやる、頭と尻尾がでかすぎる
是非欲しい明日の新聞あったなら
右肩を上げて兜町歩く癖
(櫻井)。
