10日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比106円89銭(0.27%)安の3万9666円24銭だった。
きょう前場は前日までの2日間で700円以上上昇しており、戻り待ちや利益確定の売りが優勢だった。日経平均は3万9000円台後半で売り物をこなす展開となった。
前日の米国株市場は主要株価指数が高安まちまちの展開で方向感を欠いた。日本時間今晩に発表される3月の米CPI発表を控え、この内容を見極めたいとの思惑から売り買いともに手控えられており、東京株式市場も米株市場を引き継ぐ形で主力大型株は見送りムードとなる銘柄が多くなった。中東の地政学リスクに対する警戒感も重荷となった。ただ、下値では押し目買いの動きも観測され、日経平均は前引けにかけて下げ渋っている。
寄り付き直後はトヨタなど自動車株を中心に売りが出て、日経平均の下げ幅は一時200円を超えた。中東を巡る地政学リスクの悪化懸念から積極的な買いを手控える投資家も多かった。市場関係者は「為替動向や中東情勢の先行きがはっきりしない現状では上値追いに慎重な投資家が多い」との見方を示した。
日銀の植田和男総裁が10日午前、衆院財務金融委員会に出席し金融政策について「見通し通りに基調的物価上昇率が上がれば、ところどころで緩和の度合い縮小が適切になる」と述べたが、株式市場に目立った反応は出なかった。
前場のプライム市場の売買代金は、1兆9115億円と昨日に続き2兆円を割り込んでおり、本日も4兆円台を割り込む公算が大きい。後場も様子見ムードが強まることで日経平均は25日移動平均線手前でのもみ合いとなろう。ラマダン休暇明けの来週頭までは商い減少で方向感に乏しい展開が続くと想定する。
東証株価指数(TOPIX)は反落し、前引けは4.77ポイント(0.17%)安の2749.92だった。JPXプライム150指数も反落し、2.76ポイント(0.23%)安の1190.32で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9115億円、売買高は7億2483万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は590。値上がりは988、横ばいは74だった。
業種別株価指数(33業種)は保険業、その他金融業、輸送用機器が下落。上昇は電気・ガス業、非鉄金属、化学など。
個別では、レーザーテック、ソシオネクスト、東京エレクトロンなどが高く、東京電力ホールディングスも商いを膨らませ大きく上値を伸ばした。北海道電力の上げ足も目立つ。住友鉱、ENEOSは上昇した。三井E&Sが物色人気となったほか、さくらインターネットが活況高に買われた。カーブスホールディングスなども上昇した。
半面、ディスコが利益確定売りに押され、11日に決算発表を控えるファーストリテイリングも軟調。三菱UFJ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが冴えず、東京海上、三井物、三菱商事、ニトリHDも値を下げた。リソー教育が急落、イオンフィナンシャルサービスも大幅安となった。
