市場では物価指標の上振れを受け「インフレが再加速した」(PNCフィナンシャル・サービシズ)との指摘があった。米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を引き下げる時期が後にずれ、年内の利下げ幅が市場の想定よりも縮まるとの見方が広がった。米長期金利は25日に一時4.73%と昨年11月以来の高水準を付けた。金利と比べた株式の相対的な割高感が意識されたのも相場の重荷だった。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、メタプラットフォームズが急落した。24日夕に発表した決算と同時に示した業績見通しが市場予想を下回った。売りは他のハイテク株にも及び、マイクロソフトやアマゾン・ドット・コムが下げた。ダウ平均の構成銘柄では、決算発表が嫌気されたIBMとキャタピラーがいずれも大幅に下落した。
ただ、ダウ平均は売り一巡後に下げ渋った。26日には3月のPCE物価指数が発表される。「市場予想に近い内容になれば過度なインフレ懸念が後退する」との声があり、先回りした買いが入ったようだ。25日夕にはマイクロソフトやアルファベットなどが決算発表を控えており、内容を見極めようと一方的な売りが手控えられた面もある。
ダウ平均の構成銘柄では、アムジェンやジョンソン・エンド・ジョンソン、ウォルト・ディズニーが下げた。ナイキとゴールドマン・サックスも安かった。半面、メルクとインテルが上昇した。
ナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに反落した。前日比100.989ポイント(0.64%)安の1万5611.760で終えた。エヌビディアやブロードコムといった半導体関連に買いが入り、指数を下支えした。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物 (ドル建て)
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
FTSEの構成銘柄では、オーストラリアの資源大手BHPグループから買収提案を受けたと公表したアングロ・アメリカンが16.10%高と急騰し、決算が好感された金融大手バークレイズと製薬大手アストラゼネカが6.73%高、5.94%高で続いた。対照的に、再保険大手リーガル・アンド・ゼネラルは6.36%安、資産運用大手シュローダーは5.45%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスは5.18%安と売られた。
25日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比171.42ポイント(0.94%)安の1万7917.28で終えた。
米国やドイツなどの金利上昇が投資家心理の重荷となった。ソフトウエア大手SAP株などテクノロジーや、不動産の関連銘柄に売りが出た。
欧州エアバスなど航空・防衛株も下げた。他方、25日公表した2024年1〜3月期決算で純利益が前年同期10%増となったドイツ銀行株は大幅に上昇した。
個別では、香料大手シムライズが3.97%安、医療機器のザルトリウスが3.72%安、業務用ソフトウエア大手SAPが3.05%安と下げを主導。半面、ドイツ銀行は8.30%高、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.60%高、コメルツ銀行は1.44%高で取引を終えた。
