28日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3日続落し、前日比23ドル39セント(0.06%)安の3万8949ドル02セントで終えた。
朝方発表された2023年10~12月期の実質GDP(国内総生産)改定値は、速報値から小幅に下方修正された。
ただ、個人消費が強く景気の底堅さを示す内容で、インフレ上振れリスクが意識されたことが相場の重荷となった。29日発表の1月の米個人消費支出(PCE)物価指数の内容も見極めたいとの思惑から、積極的な取引は手控えられた。
一方、インフレ抑制と成長両立を実現させる景気の軟着陸期待に支えられ、ダウは引けにかけて下げ幅を縮めた。
季節要因やCPIを受けてやや強めの内容が想定されており、市場予想は前月比での伸び加速を見込んでいる。株式市場では主要株価指数が高値圏で推移していることもあり、指標発表前に持ち高調整の売りが出やすかった。ダウ平均は寄り付き直後に230ドル下げる場面があった。次第に売りの勢いが鈍り、引け間際に下げ幅を縮小した。
医療保険のユナイテッドヘルス・グループが3%近く下げ、ダウ平均を押し下げた。27日に米司法省が反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで調査を始めたことが報じられた。サイバー攻撃を受けていると伝わったことも売りを誘った。
ほかでは半導体のインテルや工業製品・事務用品のスリーエムが下げた。一方、航空機のボーイングや金融のゴールドマン・サックスは買われた。
ナスダック総合株価指数は反落し、前日比87.562ポイント(0.54%)安の1万5947.738で終えた。ネット検索のアルファベットが安い。傘下のグーグルが欧州のメディアから提訴されたのに加えて、生成人工知能(AI)開発遅れへの懸念も重荷だった。半導体のエヌビディアも下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
28日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比245円安の3万9045円で終えた。
NYダウ平均は、翌日に米物価統計の発表を控え様子見姿勢が広がる中、小幅続落した。
最高値圏にあった日米株式相場がともに下落した。投資家心理が弱気に傾き、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
39045 ( -125 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
39050 ( -120 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7624.98(-58.04)
FTSE100 7624.98(-58.04)
28日のFTSE100種総合株価指数は3日続落し、前日比58.04ポイント(0.75%)安の7624.98で終えた。2023年10〜12月期決算が減収となり、既存店売上高が市場予想を下回った日用品大手の英レキットベンキーザーグループの株価が13%安となり、指数を下押しした。
FTSEの構成銘柄では、28日に公表した23年12月通期決算で、顧客からの苦情増加を受けた引当金を計上した保険会社セント・ジェームズ・プレイスが18.55%安と大幅下落。英日用品大手レキットベンキーザーが13.29%安、医療器機大手スミス・アンド・ネヒューが5.88%安と続いた。一方、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが3.32%高、小売り大手JDスポーツ・ファッションが2.44%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17601.22(+44.73)
28日のドイツ株価指数(DAX)は6日続伸し、前日比44.73ポイント(0.25%)高の1万7601.22で終えた。21日以降、連日で最高値を更新している。一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった欧州エアバスなど、航空・防衛関連株の上昇が目立った。
個別では、エアバスが3.88%高と上昇率トップ。航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズが2.15%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズも1.87%高と好調だった。前日上伸した半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは4.04%安と反動減となったほか、不動産大手ボノビアが2.40%安だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7954.39(+5.99)
フランスCAC40種指数は0.08%高だった。
