254円安と続落、為替の円高には警戒

 
29日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比254円54銭(0.65%)安の3万8953円49銭だった。
 
きょう前場の東京株式市場は売買代金上位の値がさ株中心に売りに押される地合いで、日経平均は下値を探る展開を強いられた。前引け時点でフシ目の3万9000円台を割り込んだ。前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が揃って軟調な動きをみせたことで、目先買い手控えムードが広がった。日本時間今晩に予定される1月の米PCEデフレーターの発表を控え、持ち高調整の売りが表面化。機関投資家のリバランスの売りも加わり全体指数を押し下げた。日銀審議委員の発言を受けて外国為替市場では円が買われ、1ドル=150円を割り込む水準まで急速に円高方向に振れたことも嫌気された。
東京株式市場では主力のファストリやソフトバンクグループ(SBG)に売りが優勢となった。
 
日銀の高田創審議委員は29日に滋賀県で講演し、2%の物価安定の目標の実現について「ようやく見通せる状況になってきた」と発言した。日銀による金融政策の早期の正常化が意識され、外国為替市場で円高・ドル安が進行。トヨタなど輸出関連株に売りが出た。
 
日経平均は下げ幅を縮小する場面もあった。コンコルディやふくおかFGなど一部の地方銀行株には買いが入った。個人投資家の関心が高い海運株は堅調な動き。前日の米半導体株安を受けて売りが先行したアドテストや東エレクには押し目買いが入って、上げに転じた。
 
後場の日経平均は前日比マイナスながらも底堅い展開が続くと想定するが、こう着感が強まっていた為替が円高に振れていることは警戒したい。一段の円高ドル安という展開となれば、日経平均の一段安も想定されよう。
 

 


東証株価指数(TOPIX)は続落した。前引けは16.69ポイント(0.62%)安の2658.26だった。JPXプライム150指数は続落し、7.23ポイント(0.61%)安の1172.41で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆3128億円、売買高は8億4434万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1138。値上がりは465、横ばいは53だった。
 
業種別株価指数(33業種)は電気・ガス業、鉄鋼、非鉄金属、ゴム製品などが下落。上昇は海運業、小売業など。
 
個別では、レーザーテックが安く、ルネサスエレクトロニクスが軟調、リクルート、ファナック、第一三共、ソフトバンクグループ、ソニーグループも値を下げた。三菱重工業が下値を試し、イビデン、ニトリHDの下げも目立つ。レノバが大幅安、ACCESS、ユーザーローカルも売られた。
 
半面、川崎汽船をはじめ海運株が物色人気に。あおぞら銀行が値を飛ばし、ディスコの上げ足も目を引く。セブン&アイ・ホールディングスも高い。このほか、JVCケンウッド、マネックスグループなどに買いが集まった。

 

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