4日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前週末比97ドル55セント(0.24%)安の3万8989ドル83セントで終えた。前週末に主要な株価指数が最高値を付けた後で、主力株を中心に利益確定売りが出た。一方、米経済が底堅さを維持するとの見方から下値では押し目買いも入った。
ナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数は前週末に過去最高値を更新した。米長期金利が上昇し株式の相対的な割高感が意識される中、主力株には目先の利益を確定する売りが出た。
欧州委はこの日、アップルが音楽配信市場で支配的地位を乱用し、競争を阻害しているとして18億ユーロ(約2900億円)の制裁金を科すと発表した。制裁金が嫌気された同社は売り込まれ、ダウ相場を押し下げた。
インフレ抑制と成長両立を実現する米景気の軟着陸期待が支えとなり、ダウは下げ幅を縮める場面もあった。
米経済がソフトランディング(軟着陸)に向かうとの期待から相場の先高観は根強く、下げたところでは主力株に買いが入った。バンク・オブ・アメリカはS&P500種の年末予想を5000から5400に引き上げた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落した。前週末比67.433ポイント(0.41%)安の1万6207.509で終えた。中国販売の不振が伝わったテスラが7%安で終えた。一方、エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)といった半導体株の上昇が目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
4日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前週末比115円安の4万0105円で終えた。
ニューヨーク株式相場は、欧州連合(EU)欧州委員会から巨額制裁金を科されるIT大手アップルが売られ、3営業日ぶりに反落した。
前週末に最高値圏にあった米株式相場に利益確定目的の売りが出ており、日経平均先物にも売りが優勢となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
40105 ( -45 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
40105 ( -45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7640.33(-42.17)
4日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前週末比42.17ポイント(0.54%)安の7640.33で終えた。英シェルなどエネルギー株が下げ、指数を下押しした。
ハント英財務相は6日に予算案を公表する。これに関連して、エネルギー企業に対する追加課税を1年延長する方針だと伝わり、エネルギー株の売りにつながった。スポーツ賭博サイトの運営などを手掛けるエンテインなど消費者向けサービスの関連株も下げた。
FTSEの構成銘柄では、賭け屋大手エンテインが7.85%安と最も大きく売られ、オンライン食品販売大手オカド・グループが6.51%安、保険会社セント・ジェームズ・プレイスが4.03%安で続いた。一方、産金大手エンデバー・マイニングは3.32%高、同業フレスニロは2.70%高、投資会社メルローズ・インダストリーズは2.27%高となった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17716.17(-18.90)
4日のドイツ株価指数(DAX)は9営業日ぶりに反落し、前週末比18.90ポイント(0.10%)安の1万7716.17で終えた。DAXは前週末まで連日で最高値を更新したとあって、このところ株価水準を切り上げていた主力株の一部に利益確定の売りが出た。
欧州中央銀行(ECB)が7日に定例理事会の結果を公表するのを前に、積極的な買いが入りにくかった面もある。
個別銘柄では、ヘルスケア大手フレゼニウスが4.22%安、商用車大手ダイムラー・トラックが4.10%安、通販大手ザランドが3.33%安。半面、一部金融機関が目標株価を引き上げたと伝わった航空機エンジン大手MTUエアロ・エンジンズは2.69%高、航空機大手エアバスは1.76%高、自動車大手フォルクスワーゲンは1.28%高と好調だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7956.41(+22.24)
フランスCAC40種指数は0.28%高だった。
