ダウ404ドル安、景気への懸念が再燃

5日のNYダウ工業株30種平均は大幅に続落し、前日比404ドル64セント(1.03%)安の3万8585ドル19セントで終えた。1日としての下げ幅は2月13日(524ドル安)以来の大きさだった。
 
この日はアップル株が続落。前日は欧州当局による巨額制裁金が嫌気されたが、この日は同社製スマートフォン「iPhone(アイフォーン)」の中国販売不振が伝わった。ダウは取引序盤からアップルなどハイテク株の売りに押され、軟調に推移した。
 
前週にナスダックは約2年3カ月ぶりに過去最高値を更新。利益確定売りも出る中、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コムなどハイテク株が総じて売られやすい流れは変わらず、ダウの下げ幅は終盤に一時500ドルを超えた。
 
6、7日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米上下両院で議会証言に臨む。市場では「利下げに慎重な姿勢は変わらず、株価の重荷となるだろう」pとの見方がある。FRB議長の議会証言を前に、これまで積み上げた株式の持ち高を減らす動きが出やすかった。
 
前週末にナスダック総合株価指数とS&P500種株価指数が最高値を更新した。ダウ平均は今年に入り、4日までに1300ドル上げ、最高値圏にある。高値警戒感から持ち高調整や利益確定の売りが出て、株式相場を押し下げた。
 
午前発表の2月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数は52.6と前月(53.4)から悪化し、市場予想(53.0)も下回った。8日には2月の米雇用統計の発表がある。FRBの金融政策の先行きを探る上で、重要な経済指標の内容を見極めたいとの雰囲気もあった。
 
個別では、インテルとセールスフォースの下げが目立った。半面、スリーエムが上げた。小売りのターゲットが5日発表の決算を受けて急伸し、同業のウォルマートが連れ高した。
 
ナスダック総合株価指数も大幅に続落した。前日比267.921ポイント(1.65%)安の1万5939.588で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズなどが売られた。停電でドイツ工場の操業を停止したと伝わったテスラは4%弱下げた。
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

5日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比305円安の3万9800円で終えた。
同日の米株式市場ではハイテク株主導で利益確定売りが膨らんで米ダウ工業株30種平均が大幅安となり、日経平均先物にも売りが増えた。
 
 

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 764616(+5.83)

5日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反発し、前日比5.83ポイント(0.07%)高の7646.16で終えた。製薬大手アストラゼネカなどヘルスケア関連や公益株に買いが入り、指数を支えた。

英国ではハント財務相が6日に予算案を公表する予定で、国民保険料率の引き下げといった個人消費の後押しにつながる策を打ち出すとの期待が出ている。ただ市場では、英経済の見通しを大きく変えるほどの規模は見込みにくいとの声も聞かれる。

FTSEの構成銘柄では、2023年12月通期の増収増益決算を公表した品質検査会社インターテックが6.15%高と上昇率トップとなり、産金大手エンデバー・マイニングが4.24%高、流通大手マークス&スペンサーが3.82%高で続いた。一方、2024年4月通期のレンタル収入が予想範囲の下限にとどまりそうだと公表した建機レンタルのアシュテッド・グループは9.36%安と急落。工業・電子製品大手RSグループは3.51%安、産銅大手アントファガスタも3.29%安だった。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 17698.40(-17.77)

5日のドイツ株価指数(DAX)は続落し、前日比17.77ポイント(0.10%)安の1万7698.40で終えた。2023年12月期通期決算とあわせて、会社分割は当面実施しない方針を示した化学大手の独バイエル株が大幅安となったほか、自動車株にも売りが出た。

一方で銀行や公益株は買われ、指数を下支えした。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言といった市場参加者の関心が高いイベントを6日以降に控え、様子見の雰囲気もあった。

個別では、製薬大手バイエルが7.57%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーが1.77%安、郵便・物流大手ドイツポストが1.69%安と売られた半面、ヘルスケア大手フレゼニウスは3.76%高、電力大手RWEは2.97%高、エネルギー大手イーオンは1.91%高で取引を終えた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7932.82(-23.59)

フランスCAC40種指数は0.30%安だった。欧州中央銀行(ECB)定例理事会や米雇用統計の発表など重要イベントを週内に控え、積極的な売買は手控えられた。

 

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