祝日明け21日午前の日経平均株価は大幅に続伸した。午前終値は前営業日比666円92銭(1.67%)高の4万0670円52銭と、4日に付けた最高値を上回って終えた。
きょう前場の東京株式市場はリスク選好の地合いが継続し日経平均の上値追いが加速、一時700円を超える上げ幅を示す場面もあった。東京株式市場が休場の間に米国株市場ではNYダウが大きく水準を切り上げ、2営業日合わせて700ドル以上も上昇しており、これに追随する格好となった。米株価指数先物が引き続き上値指向となっていることも投資家のセンチメントを強気に誘導している。
米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待の継続が支えとなったほか、直近の円安・ドル高基調を手がかりにした物色も目立った。上げ幅は一時700円を超えた。
FRBは同日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を5.25〜5.5%で据え置いた。一部で利下げ回数減少への警戒感があったが、年内で3回としていた利下げ予想には変化がなく、株買いにつながった。米ハイテク株の上昇が目立ち、東京株式市場でも値がさの東エレクやソフトバンクグループ(SBG)などに買いが波及した。
日銀の植田和男総裁は19日の金融政策決定会合後の記者会見で「当面は緩和的な金融環境が継続する」と述べた。注目を集めていた日米中銀の決定会合が無難に通過した安心感もあって、投資家の運用リスクをとる動きが強まった。円相場は1ドル=150円台と円安傾向にあり、トヨタや日産自といった輸出関連株にも買いが入った。
後場の東京株式市場は目立った売買材料が予定されていないことから、日経平均は高値圏でのもみ合いとなりそうだ。日経平均が史上最高値をあっさり更新したこともあり、市場の関心はTOPIXの高値更新に移っている。1989年12月18日の史上最高値2884.80まで残り4%弱に迫っていることから、目先のターゲットとして意識されやすい。仮にTOPIXが史上最高値を更新すると、前引け時点のNT倍率14.55倍で計算すると日経平均は4万1973円84銭となる。NT倍率は14.5倍から14.7倍ぐらいで推移することを考慮すると、日経平均のターゲットは4万2000円水準となりそうだ。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは43.28ポイント(1.57%)高の2794.25と、19日に付けた昨年来高値を上回った。JPXプライム150指数も続伸し、17.12ポイント(1.42%)高の1219.06で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で3兆399億円、売買高は11億3236万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1277。値下がりは324、横ばいは55だった。
業種別株価指数(33業種)ではパルプ・紙、卸売業、輸送用機器などの上昇が目立った。下落は海運業、陸運業など。
個別では、レーザーテックが断トツの商いをこなし上値追い継続。東京エレクトロン、ディスコなど半導体製造装置の主力銘柄が総じて高い。トヨタ自動車も買い人気を集めた。三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクも活況高。日立製作所、三菱重工業、住友ファーマ、ニデック、コンコルディなども値を上げた。富士石油、北越コーポレーションはストップ高を演じた。
半面、川崎汽船、郵船、商船三井が軟調、SMCも売りが優勢となった。ギフトホールディングスが利食われ、ACCESSも利益確定売りに押される展開となった。
