「核実験で揺れるか」
週末のNY株式は4日続伸。
8月の米雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比15.6万増。
失業率は4.4%で市場予想に届かなかった。
全体の平均時給は前月比0.1%増で市場予想を下回ったが「鈍化は季節調整のゆがみが主因」との解釈で嫌気されず。
ISM製造業景況感指数は58.8と低下を見込んだ市場予想に反して上昇。
2011年4月以来の高水準になった。
NASDAQは5日続伸。
VIX(恐怖)指数は10.13で低下した。
ただレーバーディの3連休控えで上値は重い展開。
週間騰落率はダウが0.8%高、S&P500が1.4%高。
レーバーデー明けの日は、通常上昇傾向となる事が多いという声がある。
1980~2016年の間、レーバーデー翌日のS&P500は平均で0.1%上昇。
ただ9月は月間で平均0.5%下落というのも歴史。
日経平均は7週ぶりに週間で上昇となった。
週間では約238円の上昇で週足では4週ぶりに陽線。
週足では下に長めのヒゲをつけた陽線。
「29日に安値19280円をつけて200日線にタッチして下げ止まり。
26週線を上回って、ほぼ25日線まで戻した」との指摘。
過去10年、9月の日経平均星取りは5勝敗。
「リーマンショックなど物騒な思い出があるため印象はよくない。
しかし8月に比べると悪い星取りではない」との声もある。
ただ、外国人投資家の売買は過去10年間、9月に3勝7敗と8月(2勝8敗)並みに悪い。
「10月は8勝2敗とドテン買い転換。
耐える9月」という指摘もある。
週末の米雇用統計などどこ吹く風。
日曜の核実験で市場は揺れそうな気配は漂っている。
10年国債利回りはマイナス0.005%。
昨年11月16日以来の水準。
一方、空売り比率は39.9%と40%割れ。
どちらが優先されるのかが今日の課題。
核実験さえなければ空売り比率の低下を囃したいところ。
日経朝刊の見出しは「円高・株安加速を警戒」。
また登場してきたのは「リスク回避」の円高。
そして「安全資産である債券市場への資金流入の可能性」。
本当にそうなのかどうかは疑問。
「一過性の円高株安」という教訓は先週も見たところだが・・・。
秋にも郵政株売却というのが週末の話。
北朝鮮が危なっかしい時に悠長に郵政株の売却など考えるものだろうか。
むしろ問題は「労働分配率43.5%に低下」。
1971年1~3月以来約46年ぶりの水準まで低下した。
企業は設けて個人の所得は増えないという現実。
だから企業のキャッシュが400兆円にも膨れ上がる事になる。
「企業が設けて個人が潤わないのなら、個人は株式市場からそれを取り戻すべき」。
そんな発想は業界から出てこないものだろうか。
■主な防衛関連銘柄
(コード) 関連事業の内容
細火工(4274) 発煙筒など
日製鋼(5631) ミサイル発射装置など
石川製(6208) 機雷など
日立 (6501) 艦艇搭載システムなど
東芝 (6502) 探知レーダーなど
三菱電(6503) 対空レーダーなど
NEC(6701) 防衛管制や指揮統制システム
富士通(6702) 指揮統制や教育訓練システム
OKI(6703) 防衛関連機器システムなど
三菱重(7011) 戦車や戦闘機など
川重 (7012) 練習機や哨戒機など
IHI(7013) 防衛省向けの航空機エンジン
名村造(7014) 艦艇修繕やメンテナンス
SUBARU(7270) 練習機や戦闘ヘリ
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オンコリスバイオ(4588)・・・動兆
オンコリスバイオファーマに注目する。
同社はがん等の免疫療法開発が中核。
HIVの複製に必須である逆転写酵素を阻害するHIV感染症治療薬に期待感。
(兜町カタリスト櫻井)
