328円と反発、円安好感大型株に買い

 
29日午前の日経平均株価は反発し、午前終値は前週末比328円07銭(0.92%)高の3万6079円14銭だった。上げ幅は一時400円を超えた。
 
きょう前場は、朝方買い優勢で始まった後、強弱観対立のなか日経平均は3万5900円台でもみ合う動きをみせたが、前場後半になって主力株中心に買いに厚みが加わり上げ幅を拡大、フシ目の3万6000円台に乗せて午前中の取引を終えた。
前週末の欧州株市場が総じて強い動きをみせたほか、米国株市場でもNYダウの最高値更新が続いており、東京市場でも投資家のセンチメントが改善した。半導体関連株の一角に利食いの動きが続いたものの、外国為替市場ではドルが買い戻され1ドル=148円台前半まで円安方向に振れていることで、自動車株などをはじめ輸出セクターに追い風が意識されやすい状況となっている。
 
前週末の米株式市場でダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新したうえ、円相場が円安方向に振れ、自動車株をはじめ幅広い銘柄に買いが入った。朝方は安かった半導体関連銘柄の一角も上昇に転じ、相場を下支えした。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3%近く下げた。29日の東京株式市場では朝方は東エレクやアドテストなどに売りが先行したものの、前週末にすでに下げていたため、下値では先高観からの押し目買いが入った。
 
後場の注目は高安まちまちの中国株の動向となろう。28日、中国証券監督管理委員会は、未保有の株式を借りて売却することで利益を得る「空売り」を制限するため、譲渡制限株式の貸し出しを29日から全面禁止した。中国当局は、株価テコ入れ策を立て続けに打ち出しているが、ランチタイムの上海総合指数は先週末比マイナス圏で推移している。為替の円安推移に、中国株の上昇が加われば、日経平均およびTOPIXは後場一段高という展開も期待できよう。

 
 


 
東証株価指数(TOPIX)は反発した。前引けは31.55ポイント(1.26%)高の2529.20だった。JPXプライム150指数も反発し、12.00ポイント(1.07%)高の1130.29で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9623億円、売買高は6億7526万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1358と全体の約8割を占めた。値下がりは247、横ばいは52だった。
 
業種別株価指数(33業種)は全て上昇した。鉱業、石油・石炭製品、輸送用機器の上昇が目立った。
 
個別ではトヨタ自動車が商いを伴い上値追い、川崎汽船など海運株も高い。ディスコが値を上げ、ソニーグループ、任天堂なども堅調。三菱重工業も買いを集めた。カゴメが活況高、CIJも出来高急増のなか値を飛ばした。円谷フィールズホールディングスも物色人気に。ファストリ、ファナック、日東電が上昇した。
 
半面、レーザーテックが売りに押され、ルネサスエレクトロニクスも軟調。楽天グループが安い。JCRファーマが大きく値を下げたほか、さくらインターネットも目先筋の利益確定の動きが続いた。日立建機、信越化は下落した。

 

株ちゃんofficial xはこちら!
目次