反落317ドル安、FOMC受け米利下げ観測後退

NYダウ工業株30種平均は5営業日ぶりに反落し、前日比317ドル01セント(0.82%)安の3万8150ドル30セントで終えた。米連邦準備理事会(FRB)が31日まで開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明などで早期の利下げに慎重な姿勢を示した。過去最高圏で推移していたことも売りを後押しし、この日の安値圏で終えた。
 
寄り付き後、まちまち。FRBがFOMCで市場の予想通り4会合連続で金利据え置きを発表、利下げの可能性が明確化されなかったため早期利下げ期待が後退し売りが先行した。終盤にかけてパウエル議長がFOMC後の会見で現時点で3月の利下げの可能性がベースシナリオではないとの委員会の考えを指摘すると下げ幅を拡大し終了。セクタ―別では、ヘルスケア機器・サービスが上昇した一方、メディア・娯楽が大きく下落した。
 
2024年1~3月期の主要部門の業績見通しが市場予想を下回ったマイクロソフトは2.7%安だった。市場関係者は「これまで堅調に株価が伸びていた反動から、利益確定の売りが出た」と説明した。
 
ハイテク株への売りが目立ったことも投資家心理を冷やした。前日夕に2023年10〜12月期決算とあわせて公表した業績見通しが慎重と受け止められたソフトウエアのマイクロソフトが3%弱下げた。ネットワーク機器のシスコシステムズや顧客情報管理のセールスフォースも売られた。
 
ナスダック総合株価指数は続落し、前日比345.885ポイント(2.23%)安の1万5164.012で終えた。下落率は23年10月下旬以来の大きさだった。
 
 
 
 
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は3日続伸した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは3.9%台で終えた。FRBは31日まで開いたFOMCで政策金利を据え置いた。米雇用関連指標が労働需給の緩和を示したことも米国債相場を支えた。もっとも、FRBは早期の利下げに慎重になっているとの受け止めから債券相場は伸び悩む場面もあった。
 
 
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は1ドル=147円近辺で推移した。米長期金利の低下を背景に、日米の内外金利差に着目したドル売り・円買いが目立った。

【シカゴ日本株先物概況】

 
1月31日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比55円安の3万5875円で終えた。この日は日経平均株価が上昇したものの、米連邦準備理事会(FRB)による早期の利下げ観測が後退したとして米株式相場が下げ、シカゴ市場の先物には売りが優勢となった。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
35875 ( -495 )

 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
35905 ( -465 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7630.57(-35.74)
 
1月31日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日比べ35.74ポイント(0.46%)安の7630.57で終えた。英国時間31日夜に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果公表とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を控え、積極的な買いが入りにくかった。

午前は前日終値を小幅に上回って推移する場面が目立った。31日の米株式市場でダウ工業株30種平均が上げ幅を縮めると、FTSE100種指数は次第に下げ幅を広げた。

イタリア事業についてフランスの同業からの事業合併案を拒否したと伝わった通信大手の英ボーダフォン・グループへの売りが目立った。業種別ではエネルギーや資本財、銀行が下げた一方で、公益や不動産は上昇した。

FTSEの構成銘柄では、広告会社WPPは3.04%安と下落幅トップ。流通大手マークス&スペンサーが2.91%安、金融大手M&Gが2.44%安と続いた。他方、特殊化学品大手クローダ・インターナショナルが4.78%高、製薬大手GSKが1.96%高、産銅大手アントファガスタが1.70%高だった。

 

 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16903.76(-68.58)

1月31日のドイツ株価指数(DAX)は反落し、前日比68.58ポイント(0.40%)安の1万6903.76で終えた。最高値圏にあるうえ、欧州時間31日夜に予定される米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果とパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の記者会見を待ちたいとの雰囲気もあり、積極的な買いが入りにくかった。

31日発表の2023年12月のドイツの小売売上高が市場予想を下回ったのは、投資家心理の重荷となった。スポーツ用品大手のアディダスなど消費関連の銘柄に売りが出た。

個別では、製薬大手バイエル(3.92%安)や通販大手ザランド(2.66%安)、ヘルスケア大手フレゼニウス(1.95%安)が売られた半面、人工知能(AI)に関する研究所を設立したと公表した自動車大手フォルクスワーゲン(2.74%高)や不動産大手ボノビア(2.36%高)が買われた。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7656.75(-20.72)

フランスCAC40種指数は0.27%安だった。ハイテク株の下落が好業績による株価押し上げ分を打ち消しほぼ横ばいだった。

 

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