連日の最高値更新、雇用の強さ好感

2日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比134ドル58セント(0.34%)高の3万8654ドル42セントと最高値で終えた。
 
前日に決算を発表した一部の大型ハイテク株が大幅に上昇し、米株相場を押し上げた。1月の米雇用統計が市場予想を上回る内容となった。米連邦準備理事会(FRB)の早期利下げ観測が後退したものの、米経済の底堅さを示したとの受け止めもあった。
 
米労働省がこの日発表した1月の雇用統計は、市場予想に反して非常に強い内容だった。米経済が想定以上に底堅いとの見方が広がり、景気動向に敏感な大手メーカーや金融関連の銘柄に買いが入った。

一方、雇用統計を受け、3月の米利下げ観測がさらに後退。米長期金利が急上昇した。それでも前日に決算発表を行ったメタやアマゾン・ドット・コムを中心に、ハイテク株の多くが値上がりした。
 
ダウ平均の構成銘柄ではないが、交流サイトのメタプラットフォームズは急伸し20%高で終えた。前日夕に発表した2023年10〜12月期決算で売上高が市場予想を上回った。上場後初となる四半期配当の実施も決め、好業績と株主還元を評価した買いが膨らんだ。
 
ダウ平均は午前に180ドルあまり下げる場面があった。2日発表の1月の雇用統計は非農業部門の雇用者数が前月比35万3000人増と、ダウ・ジョーンズ通信が集計した市場予想(18万5000人増)を大きく上回った。平均時給の伸びも予想以上で、FRBの利下げが遠のいたとの見方につながった。
 
市場関係者は、「労働市場がFRBの想定よりも強いのは明らかだ」と指摘する。一方で、米経済が底堅さを示しており、ソフトランディング(軟着陸)に向かっ⁰ているとの見方を強めた面がある。
 
ダウ平均の構成銘柄では、2日に決算発表した石油のシェブロンが上昇した。建機のキャタピラーとソフトウエアのマイクロソフトも買われた。半面、米国内で新工場の建設が遅れていると伝わった半導体のインテルが下落。前日夕の決算発表で中国事業の不振が明らかになったスマートフォンのアップルも売り優勢だった。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比267.312ポイント(1.74%)高の1万5628.954と22年1月以来の高値で終えた。半導体のエヌビディアや同業のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)の上昇が目立った。
 
S&P500種株価指数は前日比52.42(1.06%)高の4958.61と最高値で終えた。
 
 

【シカゴ日本株先物概況】
 

2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比245円高の3万6120円で終えた。同日の米株式市場は、米雇用市場の強さを示す経済指標が好感され、続伸した。
ダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が最高値を更新した。投資家心理が強気に傾き、日経平均先物に買いが入った。
 
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
36410 ( +290 )


シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
36440 ( +320 )

 
( )は大阪取引所終値比
 
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
 

2日のFTSE100種総合株価指数は小幅に3日続落し、前日比6.62ポイント(0.08%)安の7615.54で終えた。2日発表の1月の米雇用統計などを受けて米国や英国の金融政策が早期に利下げ転換するとの観測が後退。欧米の長期金利上昇とともに、投資家心理の重荷となった。

エネルギーや資源株に売りが出た。半面、銀行や資本財の一角には買いが入り、指数を下支えした。前日の米株高を支えに、FTSE100種指数は昼過ぎまでは前日終値を上回って推移する場面が目立った。

FTSEの構成銘柄では、産金大手エンデバー・マイニングが4.10%安と下落率トップ。同業のフレスニロが3.14%安、包装資材大手モンディが2.39%安と続いた。航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは3.82%高、金融大手バークレイズが3.20%高、流通大手セインズベリーが2.99%高だった。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数

2日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反発し、前日比59.17ポイント(0.35%)高の1万6918.21で終えた。

消費関連や銀行株にも買いが入った。午後に欧米の長期金利が水準を切り上げたのは投資家心理の重荷となり、DAXは次第に上げ幅を縮小した。

DAXの構成銘柄ではないが、料理宅配サービスの独デリバリーヒーロー株の下げが目立った。同社傘下のフードパンダが東南アジアで展開する一部事業の売却交渉が決裂したと伝わったのがきっかけ。デリバリーヒーローは午後に「交渉は続いており、噂は誤りだ」との声明を公表した。

 個別では、高級車メーカーのポルシェ(4.19%高)やドイツ銀行(3.52%高)、自動車大手メルセデス・ベンツ(2.00%高)が買われた半面、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズ(3.03%安)やエネルギー大手イーオン(2.83%安)が売られた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.05%高(週間は、0.55%安)だった。好調な企業収益による上昇が雇用統計による下落を相殺したためほぼ変わらずだった。

 

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