240円安と反落、早期の米利下げ観測後退

6日午前の日経平均株価は反落し、午前終値は前日比240円10銭(0.66%)安の3万6114円06銭だった。
 
きょう前場は利益確定の売りが優勢となり日経平均は下値を試す展開を強いられた。前日の米国株市場では長期金利の上昇を背景に軟調だった。NYダウが一時400ドル超の下げをみせるなどリスクオフに傾き、取引後半はハイテク株中心に戻り足をみせたが、主要株価指数が揃ってマイナス圏で引けたことから、きょうの東京株式市場でも買い手控えムードが強まった。日経平均ベースの騰落レシオ(25日移動平均)が前日時点で140%を超えるなど過熱感が意識されており、足もとでポジション調整の売りが表面化している。
日経平均の下げ幅は300円に迫る場面があった。
 
FRBのパウエル議長は4日夜の米テレビ番組で「経済が強い状況においては、いつ政策金利の引き下げを始めるかという問題にじっくりと対処することができるように感じる」と述べた。「物価上昇率が持続的に(目標の)2%に向かっていることを示すさらなる証拠を見たい」とも話し、市場の想定より利下げのペースが緩やかになると受け止められた。5日発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業(サービス業)景況感指数が市場予想を上回り、米経済の底堅さが意識されたことも株売りを促した。
 
日経平均は年明け以降、騰勢を強めている。1月の上げ幅は2800円あまりに達した。2月に入ってからは上値の重さも目立つが、相場過熱への警戒感は引き続き強い。34年ぶりの高値圏とあって、上値では利益確定売りも出やすかった。
 
後場の日経平均は、13時25分に発表されるトヨタ自の決算発表に注目となろう。トヨタ自は朝方やや買われる場面も見られたが、前日比1%安の水準でのもみ合いに。1月23日につけた上場来高値3034円手前で上値は重くなっていることから、決算内容をきっかけにこの水準を上抜くような強い動きとなれば、後場、TOPIXが強含む可能性もあろう。トヨタ自以外の後場動きそうな決算銘柄は、12時台のエーザイ、上新電、13時台のニッスイ、レンゴー、三菱ケミG、三菱重、14時台の不二サッシ、大崎電、東邦銀、四国銀あたりを注目したい。
 
 
 
 



東証株価指数(TOPIX)は反落した。前引けは20.90ポイント(0.82%)安の2535.81だった。JPXプライム150指数も反落し、10.21ポイント(0.89%)安の1131.69で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆4279億円、売買高は9億1405万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は981。値上がりは621、横ばいは56だった。
 
業種別株価指数(33業種)では電気・ガス業、銀行業、不動産業の下落が目立った。上昇は水産・農林業、陸運業、倉庫・運輸関連業など。

 
個別では、ファストリ、ダイキン、信越化、ファナックや、安川電、ヤマトHDが安い。三菱UFJフィナンシャル・グループが軟調、トヨタ自動車、デンソー、スズキも冴えない。キーエンスが売りに押され、オムロンは急落。大平洋金属、日本冶金工業が大きく水準を切り下げ、ヤマトホールディングスの下げも目立っている。
 
半面、レーザーテックが堅調、ディスコが商いを伴い大きく買われたほか、アドバンテスト、東京エレクトロン、スクリンなども値を上げた。ソシオネクストも買いが優勢。JR東日本が高く、三越伊勢丹、資生堂も上昇した。デクセリアルズがストップ高、チャーム・ケア・コーポレーションも値を飛ばした。

 

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