27日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比352円47銭(1.06%)高の3万3658円32銭だった。
朝方からリスク選好の地合いとなり、寄り後も上げ足を強める展開となった。前日の米国株市場でNYダウなど主要株価指数が揃って上昇、来年の利下げ期待を背景にクリスマス明けも強気優勢の地合いが続いたことで、東京株式市場でも買い安心感が広がった。
幅広い銘柄に買いが入り、7月3日に付けた年初来高値(3万3753円)を上回る場面もあった。
米通信大手TモバイルUS株1.1兆円相当を無償取得すると発表したソフトバンクグループ(SBG)が大幅高となり、指数を押し上げた。
日経平均の上げ幅は一時400円を超えた。26日の米株式市場でナスダック総合株価指数が2022年1月以来の高値で終え、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は1.8%上昇し過去最高値を更新した。東京株式市場でも東エレクなど半導体関連株を中心に値がさの電気機器、精密などが買われた。海運株の上昇も目立った。
市場関係者は、「きょうはソフトバンクGの寄与が大きいが、円高進行が落ち着き、日銀が早期に政策転換するとの観測が後退したことで投資家心理がかなり上向いている」と指摘した。日銀が27日の取引開始前に開示した12月の金融政策決定会合の「主な意見」では、利上げに慎重な意見が目立った。
後場も引き続き強い展開を想定する。買い一巡後の日経平均は33600円台まで上げ幅を縮小したが、プライム市場の幅広い銘柄・業種が物色されるなど相場のモメンタムは強い。休み明けの海外投資家がドル買戻しを進めた場合、為替市場では円安ドル高がやや進行する可能性もあろう。また、本日は12月期決算企業などの権利取り最終売買日でもあることから、日経平均は大引けにかけて強い動きを見せると想定する。終値ベースでの年初来高値3万3753円33銭(7月3日)を超えられるか注目したい。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは20.87ポイント(0.89%)高の2359.73だった。JPXプライム150指数も続伸し、9.94ポイント(0.94%)高の1062.19で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7256億円、売買高は6億4309万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1367、値下がりは244、横ばいは48だった。
業種別株価指数(33業種)は海運業、サービス業、電気・ガス業、情報・通信業が上昇率上位。下落はゴム製品のみ。
個別ではレーザーテック、東京エレクトロン、ソシオネクストなど主力どころをはじめ幅広く半導体関連株が買いを集めた。川崎汽船、日本郵船など海運株の上げ足が目立ち、三菱重工業も上昇した。ブイ・テクノロジーが値を飛ばし、gumi、アトラエも急伸。イーレックス、リクルート、ダイキン、東電HDも買われた。
半面、霞ヶ関キャピタルが軟調、マクニカホールディングスも利食われた。三陽商会、山崎製パン、Jフロント、日電硝、三和HDはなども売りに押された。
