NYダウ工業株30種平均は続伸した。前日比111ドル19セント(0.29%)高の3万7656ドル52セントと19日以来の過去最高値で終えた。
米連邦準備理事会(FRB)が2024年の前半に利下げに転じるとの観測が相場を支えた。相場の先高観が強く、上昇に乗り遅れまいとする買いが入ったとの見方もあった。半面、主力株を中心に利益確定目的の売りが出た。中東の地政学リスクも意識され、上昇の勢いが弱る場面があった。
今年の取引としては最後の週で、年末休暇を取得する投資家も多い。米主要経済統計など材料に欠け、方向感に乏しかったが、最近の米早期利下げ期待で地合いが支えられる中、ダウは終日、強含みの展開が続いた。
CMEグループのフェドウオッチによると、来年3月のFOMCにおける少なくとも0.25%の利下げ確率は約90%。前日は約83%織り込まれていた。
小売りのウォルマートやバイオ製薬のアムジェン、建機のキャタピラーが上昇した。半面、スポーツ用品のナイキと映画・娯楽のウォルト・ディズニーは下げた。
ナスダック総合株価指数は4日続伸した。前日比24.603ポイント(0.16%)高の1万5099.176と22年1月以来の高値で終えた。S&P500種株価指数も前日比6.83ポイント(0.14%)高の4781.58と22年1月以来の高値で終えた。
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は上昇した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.10%低い(価格は高い)3.79%で終えた。一時は3.78%と7月以来、約5カ月ぶりの低水準を付けた。米連邦準備理事会(FRB)が2024年前半にも利下げに転じると見込んだ債券買いが続いた。
【為替】
ニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸し、前日比60銭円高・ドル安の1ドル=141円75〜85銭で取引を終えた。米連邦準備理事会(FRB)が2024年前半にも利下げに転じるとの見方が強く、円買い・ドル売りが優勢だった。27日の米債券市場では長期金利が3.78%と7月以来の水準に低下する場面があった。日米金利差の縮小を意識した円買い・ドルも入った。
【シカゴ日本株先物概況】
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7724.95(+27.44)
中国の次世代細胞医療のグラセル・バイオテクノロジーズを最大12億ドルで買収することで合意したと26日に発表した英製薬大手アストラゼネカ株が買われた。27日の取引で銅やニッケル、アルミニウムなどの先物価格が上昇したことを背景に、資源株にも買いが入った。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが5.44%高と急伸したほか、製薬大手バイエルが2.32%高、不動産大手ボノビアも1.59%高と上昇。半面、エネルギー大手イーオンは0.98%安、ミュンヘン再保険は0.92%安、ヘルスケア大手フレゼニウスは0.84%安で取引を終えた。
フランスCAC40種指数は0.04%高だった。米国で早ければ来年3月に利下げが行われるとの観測が広がる中、金利動向に敏感なハイテク株や不動産株を中心に買いが入った。
