29日午前の日経平均株価は続落し、午前終値は前日比69円25銭(0.21%)安の3万3470円37銭だった。29日は今年最後の取引となる。
前日の米株式市場は、NYダウは3日続伸し最高値を更新した一方でナスダック指数は小幅安と高安まちまち。これを受けた東京株式市場は軟調にスタート。一時プラス圏に浮上する場面があったが、買い一巡後は売りが膨らみ再びマイナス圏に転じた。きょうは年内最終売買の大納会だが、年末・年始の連休に入ることもあり様子見姿勢は強く上値は重く、ポジション整理の売りも出ている様子だ。
海外市場の相場が変動するリスクが警戒された。前日の米ハイテク株安も重荷となり、日経平均は130円あまり下げる場面があった。
東京株式市場はあすから5日間の休場となる。休場期間中に欧米の株式市場や為替が大きく変動する可能性を警戒し、ファストリやファナックなど値がさ株を中心に買いの持ち高を減らす動きが出た。28日の米株式市場ではナスダック総合株価指数や主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は下落して終え、国内でも東エレクなど半導体関連の重荷となった。
半面、東証株価指数(TOPIX)は小幅に反発し、前引けは5.00ポイント(0.21%)高の2367.02だった。外国為替市場の円高・ドル安の一服を背景に、トヨタやホンダなど自動車株の一角には買いが入った。前引け時点の東証プライムの値上がり銘柄数は1067と全体の6割強を占めた。米連邦準備理事会(FRB)など世界の主要中銀が来年は軒並み利下げを進めるとの観測が、投資家心理の支えになっている。任天堂が16年ぶりに上場来高値を更新するなど、主力株には買いを入れる動きもみられた。
後場の日経平均は、大納会で参加者が限られていることなどから方向感の乏しい展開となろう。為替市場では1ドル141円台半ばとドルの円高進行が止まっていることは安心材料である。物色対象として、任天堂の上場来高値更新を受けて、他のゲーム関連にも思惑が波及するか注目したい。個人投資家を中心とした相場付きとなっていることから、短期的な値幅取りの売買が多くなりそうだが、材料銘柄への関心も高めておきたいところ。
JPXプライム150指数は続落し、0.29ポイント(0.03%)安の1062.11で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆3937億円、売買高は5億4007万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は521、横ばいは70だった。
業種別株価指数(33業種)は鉱業、海運業、石油・石炭製品、小売業などが下落。上昇は保険業、輸送用機器など。
個別銘柄では、レーザーテックや東京エレクトロンが安く、川崎汽船や日本郵船も値を下げた。ファーストリテイリングや信越化学工業が軟調だった。リクルートや中外薬、ネクソンが下げた。
半面、トヨタ自動車や東京電力ホールディングス、楽天グループが高く、任天堂やソニーグループが値を上げた。バンナムHDや東京海上は上げた。
