NYダウ工業株30種平均は反落し、前日比284ドル85セント(0.75%)安の3万7430ドル19セントで終えた。2023年末にかけて急ピッチの上昇が続いたあとで景気敏感株や消費関連株などに利益確定や持ち高調整の売りが出た。下げ渋る場面があったが、引けにかけて再び売りの勢いが強まった。
市場で、米連邦準備制度理事会(FRB)が3月に利下げに踏み切るとの見方が昨年末よりも薄れた。また、この日公表された昨年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨で、政策金利を高い水準で維持する方向性が示されたことも利下げ期待の低下につながった。
昨年末からダウ平均は最高値の更新が続き、この日は利益確定売りも出やすかった。先月大幅に上昇した半導体や不動産銘柄を中心に売られた。
ダウ平均では航空機のボーイングや建機のキャタピラーなど景気敏感株が下落した。ホームセンターのホーム・デポなど消費関連も売られた。アナリストが足元の業績悪化を予想したドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスも安い。一方、石油のシェブロンが上昇し、製薬のメルクなどディフェンシブ株は買われた。
ナスダック総合株価指数は4日続落し、前日比173.729ポイント(1.17%)安の1万4592.211で終えた。電気自動車のテスラの下げが目立った。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)なども売られた。
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は4営業日ぶりに小幅反発した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.01%低い(価格は高い)3.92%で終えた。2023年11月の雇用動態調査(JOLTS)が米労働市場の需給緩和を示す内容だったと受け止められた。米連邦準備理事会(FRB)による24年内の利下げ観測を支え、債券は買いが優勢となった。
【為替】
円は一時1ドル=143円台前半を付け、23年末から2円ほど円安・ドル高方向に振れた。米金利の上昇で全般的にドルが強含んでいることが円の下落要因となっている。
【シカゴ日本株先物概況】
3日のシカゴ日経平均先物は上昇した。2024年3月物は前日比55円高の3万3065円で終えた。
外国為替市場で円安・ドル高が進み、日経平均先物の買いにつながった。もっとも、上値は限られた。
1日に石川県能登地方で最大震度7の地震が発生し、日本の企業活動への影響が懸念されている。3日の米株式相場が下落したことも、日経平均先物の重荷となった。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
33065 ( -355 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
33105 ( -315 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7682.33(-39.19)
3日のFTSE100種総合株価指数は続落し、前日に比べ39.19ポイント(0.50%)安の7682.33で終えた。中国景気の不透明感や足元のドル高を背景に銅やアルミニウムなどの先物相場が下落し、スイスのグレンコアや英アングロ・アメリカンといった資源株が売られた。銀行や保険を中心に金融関連の銘柄にも売りが出た。足元で英長期金利が上昇しているのも投資家心理の重荷となった。
FTSEの構成銘柄では、鉱業大手アングロ・アメリカンは5.04%安と下落率トップ。有害生物管理会社レントキル・イニシャルが4.95%安、投資持ち株会社パーシングスクエア・ホールディングスが3.98%安と続いた。一方、エネルギー小売大手セントリカは3.15%高、製薬大手GSKは2.74%高、流通大手マークス&スペンサーが2.36%高だった。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16538.39(-230.97)
3日のドイツ株価指数(DAX)は3営業日ぶりに反落し、前日比230.97ポイント(1.37%)安の1万6538.39で終えた。終値として2023年12月上旬以来、約1カ月ぶりの低水準となる。ドイツ株相場は23年12月以降に上昇の勢いを強め、最高値圏で推移していたとあって、高値警戒感から売りが出やすかった。工業や一般消費財など幅広い業種の銘柄が売られた。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーが6.39%安、製薬大手サルトリアスが4.08%安、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは3.82%安と売られた半面、通信大手ドイツテレコムは1.46%高、ハノーバー再保険は1.29%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7411.86(-119.00)
フランスCAC40種指数は1.58%安だった。建設・素材の関連株や金融株、高級品関連株が下落し、フランス株は一時約1カ月ぶり安値を付けた。
