祝日明け9日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前週末比481円21銭(1.44%)高の3万3858円63銭だった。
きょう前場はリスク選好の流れが一気に強まった。前日の米国株市場ではNYダウ、ナスダック総合株価指数ともに上昇し、米長期金利の低下を背景にハイテク株への買い戻しが強まったことを受け、東京市場でも半導体関連などを中心に投資資金の流入が加速した。日経平均は一時600円を超える上昇で3万4000円台目前まで上値を伸ばす場面があった。前引けは伸び悩んだものの、昨年7月3日の昨年来高値は上回った水準で着地している。
8日の米株式市場では米長期金利の低下を受け、PER(株価収益率)の高いハイテク株を中心に買われ、主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.27%高だった。きょうの東京市場でも日経平均への寄与度が高い値がさの半導体関連株が買われた。
上値では利益確定売りも出て、買い一巡後は上げ幅を縮小した。前週末5日に発表された23年12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想以上に増え、米連邦準備理事会(FRB)による早期利下げ観測がやや後退していることなどが重荷となった。
後場の日経平均は、為替の円高ドル安進行が重しとなりそうだ。為替市場では、1ドルが143円台半ばと先週末の大引け時点との比較では1円強円高ドル安となっている。軟調推移のトヨタ自やホンダなど輸出関連銘柄が下げ幅を広げると、日経平均の上値は重くなろう。欧州投資家が取引を開始してくるとみられる14時頃の為替動向には注目したい。
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは前週末比22.20ポイント(0.93%)高の2415.74だった。JPXプライム150指数も続伸し、14.73ポイント(1.39%)高の1077.74で前場を終えた。
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆1691億円、売買高は8億6986万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1314。値下がりは316銘柄、横ばいは27銘柄だった。
業種別株価指数(33業種)は精密機器、電気機器、機械、小売業などが上昇。下落は海運業、鉱業など。
個別では東京エレクトロン、アドバンテスト、ディスコ、スクリンなど半導体製造装置関連が高く、ソフトバンクグループ(SBG)やダイキン、ソニーGが上昇した。ソシオネクストも買われた。テルモ、中外薬、安川電、キーエンスも値を上げた。ファーマフーズ、オプティムが急騰、リケンNPRも大幅高に買われた。
半面、川崎汽や郵船、商船三井など海運株が安い他、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが軟調。日本製鉄も売りに押された。このほか、ファインデックス、稲畑産業などの下げが目立つ。京セラやアステラス、三菱商が下落した。
