668円高と続伸、33年ぶり3万5000円台に

 
11日午前の日経平均株価は続伸し、午前終値は前日比668円80銭(1.94%)高の3万5110円52銭だった。
きょう前場は主力株をはじめ広範囲に買いの勢いが衰えず、日経平均は大幅続伸で3万5000円台を一気に回復。取引時間中としては1990年2月以来、33年11カ月ぶりに節目の3万5000円を上回った。
 
日本時間今晩に発表予定の12月の米消費者物価指数(CPI)の内容が気になるところだが、前日の米国株市場でNYダウが一時、過去最高値を上回って推移するなど堅調な動きを示し、ナスダック総合株価指数も4連騰と上値指向を鮮明としたことを受け、東京株式市場でも買い安心感が広がり強気優勢の地合いに拍車がかかった。
値がさの半導体関連株などに買いが先行。東エレクは上場来高値を更新した。外国為替市場で円相場は1ドル=145円台半ばと前日夕に比べて円安・ドル高が進行しており、トヨタやホンダなど自動車株に輸出採算の改善を期待した買いが入った。
 
1月から始まった新しい少額投資非課税制度(NISA)を通じて個人投資家の資金が流入しているとの指摘もあった。12日には株価指数オプション1月物の特別清算指数(SQ)の算出を控える。市場では「SQに絡んだ売買も増えている。日経平均は前日に続いて節目にあたる水準を易々と上回り、株価指数先物やコール(買う)・オプションの売り方の買い戻しを巻き込んで上昇に弾みが付いている」との見方があった。
 
昨日の意外高に続く本日の大幅高を受けて、日経平均はバブル後の最高値を連日で更新している。過熱感が意識される可能性はあるが、前場のプライム市場の売買代金が既に2.6兆円まで膨らんでいることから、多少の利益確定売りを受け止める地合いはできつつあると想定。参加者が増加していることなどから、後場の日経平均は3万5000円の高値圏を維持したまま取引を終える可能性は高いと考える。もっとも、今晩の12月米消費者物価指数(CPI)発表を控えていることから、念のためドル・円の動向には注意しておきたい。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は続伸した。前引けは44.17ポイント(1.81%)高の2488.65だった。JPXプライム150指数は続伸し、20.35ポイント(1.86%)高の1114.50で前場を終えた。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で2兆6345億円、売買高は9億8345万株だった。東証プライムの値上がり銘柄数は1148。値下がりは470、横ばいは39だった。
 
業種別株価指数は33業種すべて上昇し、輸送用機器、卸売業、証券・商品先物取引業、保険業、機械の上昇率が大きかった。

個別では、トヨタ自動車が大商いで上値追い、三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも買いを集めた。東京エレクトロン、ディスコなど半導体製造装置関連が高く、ソニーグループも物色された。川崎汽船が上昇、ファーストリテイリングも値を上げた。技研製作所が大幅高、カーブスホールディングスも値を飛ばした。SMCや伊藤忠、日立が上げた。
 
半面、レーザーテックが利益確定売りに押され、富士通も冴えない。サイゼリヤが大きく下値を探る展開に。パルグループホールディングス、コシダカホールディングスなども大幅安だった。ヤマトHDや楽天グループ、資生堂は下げた。

 

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