NYダウ工業株30種平均は3日続落し、前日比94ドル45セント(0.25%)安の3万7266ドル67セントで終えた。
午前発表された昨年12月の主要経済統計は堅調な内容となり、小売売上高は市場予想を上回った。これを受けて連邦準備制度理事会(FRB)が3月にも利下げを行うとの期待が低下し、取引序盤のダウは売り優勢の展開となった。
ダウ平均の下げ幅は200ドルを超える場面があった。 このところ売られていたダウ平均は米長期金利が上げ渋ると、買い優勢に転じて一時プラス圏に浮上。
だが、再び売り圧力が強まり、終盤まで軟調な展開が続いた。
CMEグループのフェドウオッチによると、3月にFRBが0.25%の利下げに踏み切る確率は約58%と、前日の約63%から低下した。
市場では「ナスダックはチャート面でも売られやすい状況。早期の利下げ期待で相場は上昇してきたが、いったん買いを見送る動きが出ているようだ」との声が聞かれた。
個別では、ドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや建機のキャタピラー、映画・娯楽のウォルト・ディズニーが下げた。半面、航空機のボーイングや医療保険のユナイテッドヘルス・グループは上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比88.725ポイント(0.59%)安の1万4855.622で終えた。欧州の複数国で一部車種を値下げした電気自動車のテスラが売られた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムも下げた。
【債券】
ニューヨーク債券市場で長期債相場は続落した。長期金利の指標となる表面利率4.500%の10年物国債利回りは前日比0.04%高い(価格は安い)4.10%で終えた。
小売売上高などの強さに加え、前日にはFRBのウォラー理事が早期の利下げ観測をけん制したこともあり、市場では過度な利下げ期待が薄れている。
【為替】
ニューヨーク外国為替市場でドル高・円安が進んだ。円相場は一時1ドル=148円台半ばを付けた。
【シカゴ日本株先物概況】
17日のシカゴ日経平均先物は下落した。3月物は前日比355円安の3万5500円で終えた。同日の米株式相場の下落で、日経平均先物にも売りが及んだ。
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
35500 ( +10 )
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
35535 ( +45 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
英国や米国などで中央銀行が利下げに動く時期が市場の想定ほど早くない可能性が意識された。17日の英金利の上昇とあわせて、投資家心理を冷やした。中国経済の不透明感やドル高を背景に原油や貴金属などの先物相場が下落したのも、関連銘柄の売りを促した。FTSE100種指数を構成する銘柄のうち、前日比で上昇して終えたのは7銘柄にとどまった。
FTSEの構成銘柄では、オンライン食品販売大手オカド・グループが6.15%安と下落率トップ。賭け屋大手エンテインは5.19%安、住宅大手パーシモンは4.97%安だった。一方、エンジニアリング企業のIMIが3.68%高、医療機器大手スミス・アンド・ネヒューが1.6%高。
17日のドイツ株価指数(DAX)は3日続落し、前日比139.99ポイント(0.84%)安の1万6431.69で終えた。終値として2023年12月上旬以来、約1カ月ぶりの低水準となった。欧州中央銀行(ECB)高官の発言などを受けて、ECBを含む主要な中央銀行による早期利下げの観測が後退し、投資家心理が悪化した。中国経済の不透明感も嫌気された。
個別では、通販大手ザランド(5.09%安)やスポーツ用品大手アディダス(3.77%安)、エネルギー大手シーメンス・エナジー(3.45%安)と売られた半面、ミュンヘン再保険(2.61%高)や防衛大手ラインメタル(1.69%高)が買われた。
