ダウ続伸395ドル高、過去最高値を更新

 
19日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比395ドル19セント(1.05%)高の3万7863ドル80セントと2日以来となる最高値で終えた。
 
機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も前日比58.87ポイント(1.23%)高4839.81で終えた。2022年1月3日以来ほぼ2年ぶりに最高値を更新した。
 
高値を突破した午後以降は市場心理が強気に傾き、買いが一層膨らんだ。

 
18日に半導体受託製造最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が需要回復の見通しを示したことを受け、半導体やAI(人工知能)銘柄が引き続き買われた。米利下げ期待の後退が売り材料となったものの、ハイテク株の急伸が相殺した。
 
エヌビディアやアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)、ブロードコムなど半導体株の上昇が目立った。交流サイトのメタプラットフォームズがAI向け半導体を大量に調達すると伝わり、大手ハイテク企業による半導体需要は強いとの見方を誘った。サーバーなどのスーパー・マイクロ・コンピューターが18日夕に四半期の業績見通しを引き上げたことも追い風となった。主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は4%高となり、最高値を更新した。
 
幅広いハイテク株が買われ、ダウ平均の構成銘柄では半導体のインテルとIT(情報技術)のIBMが3%前後上昇した。前日にアナリストが投資判断を引き上げたスマートフォンのアップルも連日で買いが続いた。顧客情報管理のセールスフォースやソフトウエアのマイクロソフトも高い。
 
ミシガン大学が19日午前に発表した1月の米消費者態度指数(速報値)は78.8と、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(70.2)を大幅に上回り、2年6カ月ぶりの高水準となった。併せて公表した1年後の予想インフレ率は2.9%と20年12月以来の低水準となった。米消費が落ち込まずにインフレを抑え込むことができれば「米経済は景気後退を避けられ、企業収益も成長が見込める」との声が聞かれた。
 
主要株価指数が最高値を付け「株買いのモメンタム(勢い)がさらに買いを誘った」との見方があった。買い遅れるリスクを意識した動きも出たとみられ、ダウ平均の上げ幅は一時460ドルを超えた。
 
ただ、ダウ平均は朝方に小幅安に転じる場面もあった。シカゴ連銀のグールズビー総裁が米CNBCのインタビューで、インフレ沈静化への動きが続けば「政策金利の決定にあたって考慮に入れる必要がある」と語った。ただ、「(インフレ抑制という)職務を完遂する前に、何か約束することではない」とも述べ、市場の早期利下げ観測をけん制したと受け止められた。米長期金利は一時4.19%とほぼ1カ月ぶりの水準に上昇し、株式の相対的な割高感につながる面があった。 
 
個別銘柄では19日に発表した23年10〜12月期決算が市場予想を上回った保険のトラベラーズが7%弱高となった。外食のマクドナルドやクレジットカードのアメリカン・エキスプレス、銀行のJPモルガン・チェースも上昇した。一方、医療保険のユナイテッドヘルス・グループやドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスは売られた。
 
ナスダック総合株価指数は続伸した。前日比255.320ポイント(1.69%)高の1万5310.968で終えた。22年1月以来の高値。メタやネット検索のアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムなど主力株が買われた。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

19日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比230円高の3万6300円で終えた。同日の米株式市場でダウ工業株30種平均とS&P500種株価指数が最高値を更新した。投資家心理が強気に傾き、日経平均先物に買いが入った。
 
シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
36300 ( +300 )

 
シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
36340 ( +340 )

 
( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

19日のFTSE100種総合株価指数は小幅に続伸し、前日比2.84ポイント(0.03%)高の7461.93で終えた。19日発表の2023年12月の英小売売上高が前月比で市場予想以上に落ち込んだ。英経済に懸念はくすぶるものの、これが英イングランド銀行(中央銀行)の利下げ観測につながった面がある。外国為替市場でポンド相場の上値が抑えられ、株価の支えとなった。

FTSEの構成銘柄では、一部金融機関が目標株価を引き上げた賭け屋大手フラッター・エンターテイメント(3.09%高)や小売り大手JDスポーツ(2.77%高)、通信大手ボーダフォン(2.62%高)が買われた一方、賭け屋大手エンテイン(3.45%安)やオンライン食品販売大手オカド・グループ(3.40%安)などが売られた。
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
 

19日のドイツ株価指数(DAX)は小幅に反落し、前日比12.22ポイント(0.07%)安の1万6555.13で終えた。欧州中央銀行(ECB)による早期利下げの観測が足元で後退しているのは引き続き、投資家心理の重荷だった。
 
個別では、高級自動車ポルシェが1.79%安、一部金融機関が目標株価を引き下げたコメルツ銀行が1.73%安、シーメンス・ヘルシニアーズが1.55%安だった。他方、RWEが1.54%高、イーオンが1.22%高だった。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.40%安(週間で、1.25%安)だった。利下げ期待が後退したことで、株価も押し下げられた。
 

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