21日のNYダウ工業株30種平均は3営業日ぶりに反落し、前日比62ドル75セント(0.17%)安の3万5088ドル29セントで終えた。前日に8月中旬以来の高値を付けていたため、ハイテク株などに利益確定売りが出た。21日夕に発表する半導体のエヌビディアの決算内容を見極めたいと、積極的な買いを手控える動きも広がった。
半導体のエヌビディアは取引き終了後に決算を発表。内容は予想を上回ったが、第4四半期に対中の売り上げが著しく減少するとの見通しが警戒され、時間外取引で売られている。
ダウ平均は今月に入り、2000ドルあまり上昇し、前日には8月中旬以来の高値を回復していた。上昇が目立っていた銘柄を中心に目先の利益を確定する売りが広がった。前日に最高値を更新したソフトウエアのマイクロソフトが下げた。
この日公表された米連邦準備制度理事会(FRB)の前回会合の議事要旨は、インフレ低下の進展が不十分なら追加利上げが適切になるとの内容。市場では「サプライズはなかった」(日系証券)と受け止められ、相場への影響は限られた。
今週は23日が感謝祭の祝日の休場で、24日も短縮取引となる。祝日を前に買い持ち高を整理する売りが出やすかった。
年末商戦を控えて個人消費の弱まりが指摘される中、小売り関連の銘柄の弱さが目立った。
個別では、半導体のインテル、金融のゴールドマン・サックス、工業製品・事務用品のスリーエムが下げた。半面、保険のトラベラーズ、通信のベライゾン・コミュニケーションズが買われた。
ナスダック総合株価指数は6営業日ぶりに反落した。前日比84.552ポイント(0.59%)安の1万4199.982で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体のマイクロン・テクノロジーなどが下げた。
【シカゴ日本株先物概況】
21日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比180円安の3万3200円で引けた。米半導体大手エヌビディアの決算発表を見極めたいとの雰囲気が広がったほか、米感謝祭を前にした持ち高調整目的の売りが出て同日の米株式相場が下落した。シカゴ市場の日経平均先物にも売りが優勢だった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33200 ( -150 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33210 ( -140 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7481.99(-14.37)
21日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前日に比べ14.37ポイント(0.19%)安の7481.99で終えた。原油先物相場の下落を背景にエネルギー株に売りが出て、指数を下押しした。22日に英政府が示す秋季財政報告の内容を確認したいとして、全体的に積極的な買いが入りにくかった面もある。銀行など金融関連や素材株にも売りが出た。
FTSEの構成銘柄では、21日の投資家向け説明会で、2023年7~9月期の業績が堅調だったにもかかわらず23年12月期通期の見通しを据え置いたことが嫌気された、航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)(4.98%安)やオンライン食品販売大手オカド・グループ(4.83%安)、賭け屋大手エンテイン(3.21%安)が売られた半面、飲料大手コカ・コーラ・ボトリング・カンパニー(4.17%高)や小売り大手JDスポーツ・ファッション(3.95%高)が買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15900.53(-0.80)
21日のドイツ株価指数(DAX)は、前日比0.80ポイント安の1万5900.53と前日終値から横ばい圏で終えた。11月に入って以降、急ピッチで水準を切り上げてきたうえ、欧州時間の21日午後に米連邦公開市場委員会(FOMC、10月31日~11月1日開催分)議事要旨が公表されるとあって、積極的な買いが入りにくかった。
個別では、エネルギー大手シーメンス・エナジーは7.93%安と大きく下落。不動産大手ボノビアが3.18%安、自動車大手BMWが2.29%安だった。
一方、2026年に向けて売上高や営業利益率が向上するとの見通しを示した防衛大手ラインメタルは3.69%高、香料大手シムライズは2.39%高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7229.45(-17.48)
フランスCAC40種指数は0.24%安だった。
この日の米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策会合の議事要旨公表を控えて銀行株や不動産株の下落が響いた。
