ダウ反発62ドル高、雇用統計に先回り買い

7日のNYダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反発し、前日比62ドル95セント(0.17%)高の3万6117ドル38セントで終えた。
 
今週発表された雇用関連指標と同様に8日発表の米雇用統計が労働市場の需給緩和を示すとの見方が相場を支えた。ダウ平均が前日までに3日続落したことで短期的な相場の過熱感が薄れたとの声もあり、好材料の出た主力ハイテク株を中心に見直し買いが広がった。
 
市場では、8日発表の米雇用統計が注視されている。労働市場の緩和傾向を示す内容になれば、「来年早期に利下げが行われるとの期待が高い状態が続く」と見込まれ、相場を支援しそうだ。
 
今週は5日発表の10月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数が2021年3月以来の低水準となり、6日の11月のADP全米雇用リポートでは非農業部門の雇用者数が市場予想を下回った。11月の米雇用統計では全米自動車労組(UAW)のストライキ終結を受けて雇用者数の伸びが10月を上回るとみられる半面、賃金上昇率が前年同月比で鈍化すると予想されている。
 
米景気の減速に伴い、インフレと雇用の伸びが鈍化し、米連邦準備理事会(FRB)が24年前半にも利下げに動くとの見方が強まっている。米長期金利は前日に4.10%と約3カ月ぶりの低水準を付け、7日も4.1%台前半で推移する場面が多かった。金利の低下基調で株式の相対的な割高感が薄れる傾向にあることも投資家心理の支えだった。
 
米グーグルは6日、生成AIの基盤技術「Gemini(ジェミニ)」の投入を発表。米アドバンスト・マイクロ・デバイシズ(AMD)も同日にAI向け半導体の新製品を公表した。7日にグーグルの親会社アルファベットは5.3%、AMDは9.9%と大幅に上昇し、他のハイテク株もつれ高となった。
 
6日にAI向け新製品を発表した半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も大幅上昇した。アナリストが成長期待を示した画像処理半導体(GPU)のエヌビディアも高い。ダウ平均の構成銘柄ではスマートフォンのアップルの上げが目立った。
 
他の銘柄ではドラッグストアのウォルグリーンズ・ブーツ・アライアンスや半導体のインテル、映画・娯楽のウォルト・ディズニーなどが買われた。一方、製薬のメルクやスポーツ用品のナイキは下落した。
 
ダウ平均は一進一退で始まった後、110ドル近く上昇する場面があった。ただ、雇用統計を見極めたい参加者が多かったため、午後は伸び悩んだ。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比193.282ポイント(1.36%)高の1万4339.994と7月末以来、約4カ月ぶりの高値で終えた。アルファベットが5%強、AMDが約10%、エヌビディアが2%強上げた。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】
 

7日のシカゴ日経平均先物は下落した。2024年3月物は前日比725円安の3万2360円で引けた。同日の日経平均株価が下落したのに加え、ニューヨーク外国為替市場での円高進行を受け、シカゴ市場で先物売りが優勢となった。
NYダウは、生成AI(人工知能)関連銘柄の急上昇にけん引される形でハイテク株が値上がりし、4営業日ぶりに反発した。
 
 
シカゴ日経225先物 3月限 (円建て)
32360 ( -500 )


シカゴ日経225先物 3月限 (ドル建て)
32450 ( -410 )


( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】
 

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7513.72(-1.66)

7日のFTSE100種総合株価指数は小幅に反落した。前日に比べ1.66ポイント(0.02%)安の7513.72で終えた。原油先物相場の下落を背景に、英BPなど時価総額が大きいエネルギー株に売りが出た。7日の日本や中国などアジアの主要な株式相場が下落したのも、投資家心理の重荷だった。

ロンドン原油市場(ICEフューチャーズ)で北海ブレント先物には買いが先行した。だが需給が緩むとの警戒感は根強く、原油先物には次第に売りが増えた。

スイスのグレンコアなど資源株には買いが続き、相場を下支えした。前日に下げが目立った英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)など飲食料品・たばこ関連の銘柄にも買いが入り、FTSE100種指数は前日終値を上回る場面もあった。

FTSEの構成銘柄では、通信大手ボーダフォン(3.31%安)や航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG、2.35%安)、高級衣料バーバリー(2.18%安)が売られた半面、水道大手セバーントレント(2.45%高)や英ホテル大手インターコンチネンタル・ホテルズ・グループ(2.33%高)などが買われた。
 
 

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 16628.99(-27.45)

7日のドイツ株価指数(DAX)は8営業日ぶりに反落し、前日比27.45ポイント(0.16%)安の1万6628.99で終えた。7日発表の10月のドイツの鉱工業生産が市場予想よりも弱い内容だったことなどを受けて欧州経済の弱さが改めて意識され、相場の重荷となった。このところ急ピッチで相場水準が切り上がってきたため、目先の利益を確定する目的の売りも出やすかった。

自動車や、スポーツ用品大手アディダスといった一般消費財、小売り関連の銘柄に売りが目立った。IT(情報技術)関連も下げた。

個別では、コメルツ銀行が4.14%安と下落幅トップ。通販大手ザランドが3.35%安、スポーツ用品大手アディダスが2.99%安と続いた。一方、医療大手メルクは2.63%高、セメント大手ハイデルベルク・マテリアルズは1.76%安だった。
 
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7428.52(-7.47)
 
フランスCAC40種指数は0.10%安だった。
早期利下げの可能性を受けて銀行株が低迷したことも、株価を押し下げた。

 

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