日経平均株価が前営業日比483円高の3万2791円と3日ぶり急反発。
きょうまでの5営業日で日経平均の変動幅は1日平均で550円弱に達する。先物主導のハイボラ相場が続いているが、上かと思えば下に、下かと思えば再び上向きに方向転換するといった、「スペースマウンテン相場(前方の見えないジェットコースター)」という声が聞かれる。
値幅は出ても投資家のセンチメントが改善した印象があまりない1日であった。開始30分程度で値動きは落ち着いたが、その後はじわじわと上げ幅を縮小。先週は木曜と金曜に500円以上下げているだけに、大幅高スタートとなった後に仕掛け的な売りが出てこないのであれば、8日の下げ分(550円安)は取り戻して欲しかった。
テクニカルで見ると、5日線(3万2835円、11日時点、以下同じ)が壁となった格好で、上に長いヒゲをつけている。今は振れ幅が大きく、下げる際には大幅安にもなりやすいため、5日線や25日線(3万3059円)より下が定着してしまうようだと、売り圧力が強まりやすい。
米国ではあす12日から13日の日程でFOMCが開催される。1
2日には米国の消費者物価指数(CPI)、13日には生産者物価指数(PPI)の発表などもあり、これらの結果に米国マーケットも振らされることになるだろう。もちろんプラスに作用することも期待できるが、米国の長期金利が低下すれば為替は円高(ドル安)、長期金利が上昇すれば米国株安が想定される。先週末の8日は雇用統計を確認して米国の長期金利が上昇し、米国株も上昇した。これが今の日本株にとって最も上昇期待を高めるが、反応としてはレアなケース。しばらくは不安定な値動きが続くと見ておいた方が良さそうだ。
あすのスケジュールでは、11月の企業物価指数が朝方取引開始前に発表されるほか、午前中に5年物国債の入札が行われる。また、IPOが2社予定されており、アウトルックコンサルティング<5596>、ブルーイノベーション<5597>がいずれも東証グロース市場に新規上場する。海外では、11月の英失業率、12月のZEW独景気予測調査、11月の米消費者物価指数(CPI)、11月の米財政収支などにマーケットの関心が高い。また、米国では30年国債の入札も予定されている。
■上値・下値テクニカル・ポイント(11日現在)
33971.98 ボリンジャー:+2σ(25日)
33860.69 ボリンジャー:+2σ(26週)
33625.53 新値三本足陽転値
33515.95 ボリンジャー:+1σ(25日)
33183.45 ボリンジャー:+1σ(13週)
33132.02 ボリンジャー:+1σ(26週)
33059.91 25日移動平均線
32901.83 6日移動平均線
32878.48 均衡表転換線(日足)
32865.91 均衡表基準線(日足)
32791.80 ★日経平均株価11日終値
32603.88 ボリンジャー:-1σ(25日)
32403.36 26週移動平均線
32384.46 75日移動平均線
32313.97 13週移動平均線
32195.88 均衡表転換線(週足)
32170.57 均衡表基準線(週足)
32147.85 ボリンジャー:-2σ(25日)
32060.99 均衡表雲上限(日足)
31691.82 ボリンジャー:-3σ(25日)
31674.70 ボリンジャー:-1σ(26週)
31444.50 ボリンジャー:-1σ(13週)
31411.54 均衡表雲下限(日足)
31139.38 200日移動平均線
75日移動平均線を上放れ、ローソク足はマドを空けて陽線を描いて5日移動平均線越えまで上ヒゲを伸ばしたが、終値は5日線割れ。25日線を越える場面はなく、5日線が下降を続けたことと併せて、本日の上昇は自律反発の範囲内と位置付けられよう。
目次
