ダウ続落59ドル安 米露の隔たり地政学リスクへの警戒

  • 12日のNYダウ工業株30種平均は続落した。終値は前日比59ドル44セント安の2万0591ドル86セントだった。シリアや北朝鮮情勢を巡る地政学リスクへの警戒が市場心理を冷やし、売りが優勢だった。
    シリアや北朝鮮の地政学的リスクの上昇を背景に投資家のリスク回避姿勢が強まり、売りが先行。1-3月期決算発表を見極めたいとの思惑から買い戻しが入るも、ティラーソン国務長官とロシアのラブロフ外相の記者会見で、シリア問題を巡る両国の隔たりが示され、引けにかけて下落した。

    トランプ氏は12日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナルとのインタビューで、ドル相場に関して「強すぎる」との認識を示した。米金融政策を巡っては「低金利政策が好ましい」と述べ、米長期金利が約5カ月ぶりの水準に低下。利ざや拡大への期待が薄らぎ、金融株が売られたことも相場の重荷となった。
    もっとも、相場の下値も限られた。金融・資本市場で投資家がリスク回避姿勢を強めるなか、業績が景気動向に左右されにくい公益事業や通信といった「ディフェンシブ株」には買いが入りやすく、相場全体の支えとなった。

    ナスダック総合株価指数も続落し、前日比30.612ポイント安の5836.160で終えた。

    セクター別では、公益事業や食品・飲料・タバコが上昇する一方で半導体・半導体製造装置や運輸が下落した。

    製薬のマイラン(MYL)は、食品医薬品局(FDA)が同社インド工場における品質管理への懸念を表明し、下落。航空大手のデルタ航空(DAL)は、決算内容が嫌気され、売られた。

    一方で、カナダのソフトウエア会社ブラックベリー(BBRY)が急伸した。特許料を巡る米半導体大手クアルコム(QCOM)との訴訟で、約8億ドル(875億円程度)の払い戻しを受ける判断が下されたことが好感された。
    株主価値の向上を求めて米著名投資家デービッド・アインホーン氏が率いるファンドから取締役の選任を要求されたゼネラル・モーターズ(GM)が上昇した。

    NYダウ工業株30種(ドル)
    20,591.86-59.44
    S&P500種
    2,344.93-8.85
    ナスダック
    5,836.160-30.612


    【シカゴ日本株先物概況】

    シカゴ日経平均先物は3日続落した。6月物は前日比170円安の1万8470円で引け、6月物終値ベースで昨年12月6日以来、約4カ月ぶりの安値を連日で更新した。12日の大阪取引所の終値を60円下回った。
    トランプ米大統領のドル高けん制発言が伝わり、取引終了にかけて売りが膨らんだ。シリアや北朝鮮を巡る地政学リスクへの警戒感から米株式相場が続落したことも売り材料になった。この日の6月物安値は1万8450円、高値は1万8640円。

    シカゴ日経225先物6月限 (円建て)  
    18470 ( -60 )
    シカゴ日経225先物6月限 (ドル建て) 
    18520 ( -10 )
    ( )は大阪取引所終値比

    【欧州株式市場】

    ■イギリス・ロンドン株価指数
    FTSE100 7348.99(-16.51)
    FTSE100種総合株価指数は反落。前日終値に比べ16.51ポイント安の7348.99で引けた。鉱業株の下げが指数を押し下げたものの、構成銘柄の半数以上は上昇した。指数は午後に下落に転じた。
    銅価格の下落を受けて、鉱業株が軒並み大幅安となった。アングロ・アメリカンとリオ・ティントの下げが目立った。
    半面、スタンダード・ライフなど保険株とセバーン・トレントなど水道株は買われた。

    ■ドイツ・フランクフルト株価指数
    DAX 12154.70(+15.35)
    ドイツ株式指数(DAX)は反発。終値は前日比15.35ポイント高の12154.70だった。
    消費財のヘンケルとアディダス、自動車のBMWが買われた。一方で、鉄鋼のティッセン・クルップとドイツ取引所、ハイデルベルクセメントは売られた。

    ■フランス・パリ株価指数
    CAC40 5101.11(-0.75)

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