66円安と反落、米長期金利の上昇が重荷

 
18日午前の日経平均株価は反落し、前日比66円00銭(0.21%)安の3万1974円29銭で前場を終えた。
 
きょう前場は強弱観対立のなかも、日経平均は前日終値近辺で弱含みに推移した。前日の米国株市場では米長期金利の上昇を背景にハイテク株などに売り圧力が強まり、これを受けて東京市場でも見送りムードとなっている。また、引き続き中東の地政学リスクを警戒する動きが上値を重くしている。一方、下値では押し目買いが入り、下げ幅も限定的なものにとどまっている。
 
17日発表の9月の米小売売上高が市場予想を上回り、米経済の底堅さが意識された。インフレ抑制を目指す米連邦準備理事会(FRB)が追加の利上げに動くとの見方から、米長期金利は再び、4.8%台まで上昇した。18日午前の国内債券市場でも長期金利は上昇し、一時は0.815%と2013年8月以来、10年2カ月ぶりの高水準をつけた。第一三共などPER(株価収益率)が相対的に高い医薬品株の一角の下げが目立った。
 
米半導体大手エヌビディアは17日、米政府が公表した先端半導体技術の対中輸出規制の強化策を受けて製品開発に遅れが生じ、対象となる一部の国から事業を撤退する可能性を示唆したのもあって、半導体関連ではアドテストが下落した。ただ、東エレクやレーザーテクは上昇するなど値動きにはばらつきもみられた。
 
中国国家統計局が18日発表した2023年7~9月期の国内総生産(GDP)は、物価変動を除く実質で前年同期比4.9%増だった。4~6月期から伸びが縮小したものの、市場予想は上回った。日経平均も中国のGDP発表後にやや下げ幅を縮める場面があった。
 
後場の日経平均はマイナス圏での軟調推移が続くか。前日には、ガザの病院が空爆されたことを受けて、バイデン大統領が18日に予定していたヨルダン訪問を延期することとなった。イスラエル軍はガザの病院への空爆に対する関与を否定しているが、中東の地政学リスクは引き続き不透明感が広がっている。
また、今晩は米国でテスラやネットフリックスなどが決算を発表予定で、これらの決算を見極めたい動きも広がりそうだ。手掛かり材料に乏しい中、節目の3万2000円近辺でもみ合う展開を想定しておきたい。
 
 

 



東証株価指数(TOPIX)は4.10ポイント安の2287.98と反落して午前の取引を終えた。JPXプライム150指数も反落した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6478億円、売買高は6億1019万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は953、値上がりは801、変わらずは82銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は海運業、医薬品、サービス業、非鉄金属などが下落した。上昇は鉱業、銀行業など。
 
個別では、ファストリ、ソフトバンクグループ(SBG)、中外薬、アサヒが下落した。川崎汽船が安く、三菱商事も軟調。オリエンタルランドも売りに押された。ヨシムラ・フード・ホールディングス、アドバンスクリエイトは大幅安。
 
半面、売買代金トップのレーザーテックが買われ、東京エレクトロンも上昇した。京成、KDDI、三井物が上昇した。金利上昇が追い風になりやすい三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクも堅調。他では、「ライドシェア」関連として関心が向かっているFIGや業績上方修正で上半期一転大幅営業増益見通しとなったハピネットは急騰、リズム、やまみなどが値上がり率上位となった。

 

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