26日のNYダウ工業株30種平均は続落した。前日比251ドル63セント（0.76%）安の3万2784ドル30セントと、5月下旬以来の安値で終えた。
ダウ平均の構成銘柄ではないが、25日夕発表の四半期決算を材料に交流サイトのメタプラットフォームズが売られた。年初来での上げを保つ大型ハイテク株全般に割高感が意識されたといい、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルなどに売りが波及した。
メタは7%近く下げる場面があった。2023年7～9月期決算は市場予想を上回る増収増益だったものの、決算説明会で中東情勢が広告需要に与える影響に言及し、業績不透明感が広がった。前日には24日夕に決算発表したネット検索のアルファベットが急落していた。経営環境の厳しさから市場の期待ほどには業績や見通しが盤石ではなく、「割高感が意識された」との声があった。
この日発表された2023年7～9月期の米実質GDP（国内総生産）速報値は、季節調整済み年率換算で前期比4．9％増と非常に強い数字だった。連邦準備制度理事会（FRB）が政策金利を「高く長く」維持するとの見方が強まり、ハイテク株を中心に幅広い銘柄を下押しした。
ただ、金融引き締めが続くなかで高成長が続くとみる参加者は少なかった。7～9月期の米個人消費支出（PCE）物価指数のエネルギー・食品を除くコア指数の伸びは前期比年率2.4%と4～6月期（3.7%）から鈍化し、インフレ減速基調を示したと受け止められた。
米債券市場で長期金利は一時前日比0.12%低い4.83%に低下した。株式の相対的な割高感が薄れたとの見方から、ダウ平均は上げに転じる場面があった。ただ、足元の米景気の強さや米国債の需給懸念から米長期金利は高止まりする可能性が高い。26日未明には5%に近づく場面もあり、金利の低下を手がかりとした買いは続かなかった。
マイクロソフトが4%弱、アップルは2%強下げた。スポーツ用品のナイキやクレジットカードのビザなど消費関連株も売られた。一方、25日夕発表の四半期決算で売上高などが市場予想を上回ったIT（情報技術）のIBMが上昇した。
ナスダック総合株価指数は続落した。前日比225.619ポイント（1.75%）安の1万2595.605と5月下旬以来の安値で終えた。電気自動車のテスラや画像処理半導体のエヌビディアの下げが目立った。
【シカゴ日本株先物概況】
26日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比395円安の3万0585円で終えた。
米株式相場は、金融引き締めが長期化するとの観測や、IT大手のさえない決算が重荷となり、続落した。
日経平均株価も大幅安となって投資家が運用リスクを避ける姿勢を強め、日経平均先物も売り優勢となった。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
30585 ( -5 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
30600 ( +10 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7354．57（－59．77）
26日のFTSE100種総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日に比べ59.77ポイント（0.80%）安の7354.57で終えた。主要企業の2023年7～9月期の業績発表が続く中、投資家の失望を誘う内容を示した企業の株価が下げ、指数を下押しした。英スタンダードチャータード銀行株や日用品大手のユニリーバ株の下落が目立った。
FTSEの構成銘柄では、スタンダード・チャータード（12.44％安）や有害生物管理会社レントキル・イニシャル（10．60％安）、小売り大手B＆Mヨーロピアン・バリュー・リテール（4.99％安）と売られた半面、オンライン食品販売大手オカド・グループ（5.89％高）や特殊化学品大手クローダ・インターナショナル（1.84％高）が買われた。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 14731．05（－161．13）
26日のドイツ株価指数（DAX）は4営業日ぶりに反落し、前日比161.13ポイント（1.08%）安の1万4731.05で終えた。終値として1月上旬以来の安値となる。耐久消費財や金融の関連銘柄など幅広い業種の株に売りが出た。
個別では、高額の政府保証をめぐり政府と協議中との報道が出たエネルギー大手シーメンス・エナジーが35.49％安と急落して過去最安値を記録。独自動車大手メルセデス・ベンツは5.77％安、総合電機大手シーメンスは4.54％安だった。一方、半導体大手インフィニオン・テクノロジーズは2.12％高、防衛大手ラインメタルが1.61％高だった。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6888．96（－26．11）
フランスCAC40種指数は0．38％安だった。さえない決算が株価の重しとなった。
