382円安と反落、再びリスク回避ムード

 
30日午前の日経平均株価は反落し、前週末比382円21銭(1.23%)安の3万0609円48銭で前場を終えた。
 
きょう前場のリスク回避ムードの強い展開となり、日経平均株価は大幅反落し一時400円強下落する場面があった。前週末の米国株市場でNYダウが大幅安で3日続落したことを受け、市場センチメントが悪化した。米国で半導体関連が強さを発揮していたことを受け東京市場でも半導体関連の一角が買われ相場を下支えしたものの、自動車や医薬品などディフェンシブセクターに売りがかさみ、全体指数を押し下げている。
 
イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザへの攻撃を強化する姿勢を示したことなどを背景に、中東情勢が一段と悪化する警戒感から投資家のリスク回避姿勢が強まったもようだ。
 
前週末に2024年3月期(今期)の業績見通しを下方修正した日野自やオムロンが一時制限値幅の下限(ストップ安水準)まで急落した。日本株には業績期待の買いが入っていたとあって「思ったより企業業績が良くないのではないかと懸念が広がり、全体相場に対するセンチメント(投資家心理)悪化につながった」との声も聞かれた。
 
米長期金利の上昇一服などを背景に値がさの半導体関連株が買われたことは下値を支えた。
 
後場の日経平均はマイナス圏で軟調な展開が続くか。アジア市況で軟調さが続いている一方で、米主要株価指数先物はプラス圏で推移しており日経平均の下支え要因となる可能性がある。
ただ、今週は重要イベントに加えて、米国で重要指標となる10月雇用統計やISM製造業、非製造業景況指数などの各種経済統計の発表も控えているため、様子見姿勢が強まりそうだ。また、中東情勢の一段の深刻化は依然リスクとして警戒が必要で、後場も決算発表を終えた銘柄中心に注目が集まろう。ひとまず、日経平均は引き続き24日安値の3万0551円67銭を下回らないか注視しておきたい。決算の予定では、明日31日には半導体関連の決算が集中し、1日には国内時価総額トップのトヨタ自が決算を発表する。
 
東証株価指数(TOPIX)は23.42ポイント安の2231.23と反落した。JPXプライム150指数はいずれも反落した。前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8539億円、売買高は7億7571万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1404と、全体の8割を超えた。値上がりは225、横ばいは26銘柄だった。

 


 
業種別株価指数(33業種)は輸送用機器、繊維製品、ゴム製品、卸売業の下落率が大きかった。上昇は電気・ガス業、電気機器の2業種。
 
個別では、トヨタ自ホンダなどの自動関連株、三菱UFJや三井住友などの金融株が軟調に推移。また、三菱商事や三井物産などの商社株、郵船などの海運株が下落。ほか、ファーストリテ、ソフトバンクG、武田薬、ニデック、リクルートHD、ファナックコマツ、日立建機、エプソン、いすゞなど下落した。24年3月期業績予想の下方修正を発表した日野自動車や想定以上の業績下方修正にネガティブなインパクトが広がったオムロンが急落、トプコン、スクロール、スターティアHとなった。
 
一方、東エレクやレーザーテック、ディスコなどの半導体関連株が堅調に推移。また、決算発表を好感されたキーエンスや信越化、日立なども上昇した。ほか、KOKUSAI、ソニーG、アドバンテ、ルネサス、富士通などが堅調に推移した。また、24年3月期業績予想を上方修正した日清粉Gや大型の自社株買い実施を発表した大阪瓦斯が急騰、栗本鉄工所、M&A総研、ipsが値上り率上位となった。

 

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