47円安と続落、銀行買われTOPIXは反発

31日午前の日経平均株価は続落し、前日比47円52銭(0.15%)安の3万0649円44銭で前場を終えた。
 
きょう前場は売り買い交錯も日経平均は小幅続落。半導体関連株を中心とするハイテク株への売り圧力が表面化し全体相場を押し下げた。一方、銀行や保険株が買われTOPIXはプラス圏で着地している。きょう昼ごろに判明する日銀金融政策決定会合の結果を前に全般様子見ムードが強いが、YCCの許容変動幅拡大などの政策修正の動きが長期金利の上昇を生む可能性があり、これを意識した地合いとなっている。
 
「日銀はきょうまで開く金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の再修正を議論する」と31日付の日本経済新聞朝刊が伝えた。日銀が金融正常化に向けて歩みを進めるという見方から国内債券市場では長期金利が一時0.955%と、2013年5月以来の水準まで上昇した。前日に米半導体関連銘柄が下落した流れもあって、アドテスト、東エレクなど半導体関連に売りが出た。
 
日銀に関する報道を巡って市場では「米長期金利の上昇を受けた国内金利上昇に対応するもので、マイナス金利解除など本格的な政策変更はまだ先になる」(国内証券のエコノミスト)という受け止めがあった。一方、「日銀の金融政策は後手に回っている。国内金利の上昇リスクはさらに高まった」との指摘もあった。日銀会合の結果発表を前にさまざまな見方が交錯するなかで、株式の持ち高を一方向に傾ける展開にはなりづらかった。
 
中国国家統計局と中国物流購入連合会(CFLP)が31日に発表した10月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から悪化し、景気判断の分かれ目となる50を下回った。ファナックや安川電など中国景気に影響を受けやすい銘柄にとって重荷になった。
 
「ハロウィンに株を買え」と投資格言もあるが、昨日は押し目待ち狙いの買いや重要イベント前の先回り的な買いも見られ、日本株の底打ち期待は根強いよう。
一方で、寄り付き前に発表された経済指標では、失業率、有効求人倍率など9月の雇用関連指標ではほぼ市場予想通りであったが、9月鉱工業生産(速報値)は予想を大幅に下回る前月比+0.2%上昇だった。市場コンセンサスでは2.5%程度の上昇を見込んでおり、金利上昇により設備投資を控える企業姿勢も見える。また、中国政府版の製造業購買担当者景気指数(PMI)が2か月ぶりに好・不況の分かれ目となる50を下回っており、これを受けてハンセン指数は下落している。植田総裁の発言内容次第ではどちらにも転びやすい局面ではありそうだ。

 


 
東証株価指数(TOPIX)は4.80ポイント高の2236.04と小反発。JPXプライム150指数も小幅反発した。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9741億円、売買高は8億2023万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は696、値上がりは907銘柄、変わらずは55銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では、輸送用機器、電気・ガス業、機械の下落が目立った。上昇は銀行業、保険業、小売業など。
 
個別では、日銀の長期金利上限柔軟化の報道を受け三菱UFJが反発したほか、あおぞら銀行、りそなHD、群馬銀行など銀行株が上昇。KDDI、テルモ、日清粉G、セブン&アイが上昇した。そのほか、アンリツ、明電舎、日本新薬、ストライク、さくらインターネットなどが値上がり率上位に並んだ。
 
 一方、マクニカHD、ポーラ・オルビスHD、パナソニックHD、山洋電気、トランコムなどが下落したほか、TDK、デンソー、豊田通商、トヨタが下落した。
 

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