ダウ反発391ドル高、ハイテク株主導で

10日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比391ドル16セント(1.15%)高の3万4283ドル10セントと、9月下旬以来の高値で終えた。
金利の上昇を背景に前日に進んだ株売りが落ち着き、買い直す動きが優勢だった。週末を控えた持ち高調整の買いも入りやすかった。
 
パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は9日の講演で、米インフレ率が目標の2%を十分に上回っていると指摘し、追加利上げについて「適切ならためらわない」と表明。利上げに積極的な発言と受け止められ、前日の相場の押し下げ要因となった。
 
足元では米景気減速や労働需給の緩和を示す経済指標が相次いでおり、米連邦準備理事会(FRB)による利上げ観測は後退している。市場では「インフレが鈍化していることは引き続き相場の支えとなっている」との声が聞かれた。
 
午後にはサンフランシスコ連銀のデイリー総裁が米CNBCの番組で、「このところのインフレに関するニュースはまずまずの内容だ」と述べた。一方で、「(インフレとの闘いに)勝利を宣言するにはまだ早すぎる」とも語り、引き続きデータ次第で政策判断をする姿勢をみせた。
 
ダウは朝方から買い優勢で推移し、ほぼ終日上昇基調を維持。上げ幅は一時400ドルを超えた。ただ、ダウの上昇率が1.15%だったのに対し、ナスダックは2.04%高で取引を終えた。
 
個別では、ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップル、顧客情報管理のセールスフォースといったハイテク株が買われた。航空機のボーイングや金融のJPモルガン・チェースなども上げた。原油価格の上昇を受け、石油のシェブロンも高かった。半面、映画・娯楽のウォルト・ディズニーや医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)、スポーツ用品のナイキは下落した。
 
ナスダック総合株価指数は反発した。前日比276.660ポイント(2.04%)高の1万3798.108と9月中旬以来の高値で終えた。画像処理半導体のエヌビディアや電気自動車のテスラの上げが目立った。
 

 


【シカゴ日本株先物概況】

 
10日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比370円高の3万2885円で引けた。10日の米株式市場で主要3指数は、ハイテク株主導で上昇した。投資家心理が改善し、日経平均先物に買いが入った。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
32885 ( +305 )


シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
32905 ( +325 )


※( )は大阪取引所終値比
 

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

10日のFTSE100種総合株価指数は反落し、前日に比べ95.12ポイント(1.27%)安の7360.55で終えた。米利上げに対する警戒感が強まり、投資家心理の重荷となった。飲食料品・たばこ、医薬品をはじめ素材や銀行、消費財株など幅広い業種に売りが広がった。同日発表の7~9月期の英実質国内総生産(GDP)速報値が前期比横ばいと、4~6月期(同0.2%増)から伸びが縮小したことも響いた。

FTSEの構成銘柄では8割強が下落。3年ぶりの安値付近まで落ち込んだ酒造大手ディアジオが12.17%安と下落幅トップだった。10日、中南米・カリブ海地域で売り上げ落ち込んでいることを要因に2023年7~12月期は営業利益などが伸び悩むとの認識を示した。
オンライン食品販売大手オカド・グループが5.58%安、産金大手フレスニロが4..93%安と続いた。
一方で航空・防衛大手BAEシステムズは1.24%高、エネルギー大手SSEは1.11%高だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数

10日のドイツ株価指数(DAX)は4営業日ぶりに反落し、前日比118.15ポイント(0.76%)安の1万5234.39で終えた。米金融引き締めに対する警戒感から、他の欧州の主要株式相場とともにドイツ株にも売りが優勢だった。業種別ではヘルスケアや不動産、耐久消費財などが下げた。

個別では、通販大手ザランドが4.16%安、製薬大手バイエルは3.95%安、エネルギー大手シーメンス・エナジーは3.00%安と売られた半面、コメルツ銀行が1.28%高、日用品大手ヘンケルが1.2%高と買われた。

■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.96%安(週間で0.22%安)だった。米連邦準備制度理事会(FRB)の米金融引き締め策長期化観測を背景に債券利回りが上昇したことを受け、下落した。
 

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