反落 米ハイテク株安で半導体に売り

 
13日午前の日経平均株価は反落し、前日比100円48銭(0.31%)安の3万2675円89銭で前場を終えた。
 
きょう前場は強弱観対立のなか、日経平均は上下に不安定な値動きに終始した。前日の米国株市場はハイテク株中心に売りが優勢でナスダック総合株価指数の下落が目立ったことから、朝方は日経平均も買い手控えムードのなか小安く始まった。しかし、その後は外国為替市場で円安方向に振れていることなどを背景に、押し目買いが優勢となりプラス圏に浮上。しかし、買いは続かず前場取引後半は再び売りに押された。日本時間今晩に8月の米CPI発表を控え思惑が錯綜している。
 
半導体関連の一角に売りが出た。日経平均が心理的節目の3万3000円に接近する場面では戻り待ちの売りも出て、相場の重荷となった。
 
12日の米株式市場で金利上昇への警戒感からハイテク株が売られた流れを受け、東京市場でもアドテストや東エレク、信越化などに売りが優勢だった。前日の米市場では新製品を発表したアップルが下落し、アップル関連とされる村田製や太陽誘電も下げた。
 
日経平均は上昇する場面もあった。13日午前の東京外国為替市場で円の対ドル相場は一時1ドル=147円台半ばまで下落。輸出採算改善への期待からトヨタなどに買いが入った。日銀のマイナス金利政策の解除への思惑をきっかけに三菱UFJなどメガバンク株も上昇した。
 
全般もみ合いの展開。米長期金利の先高観がくすぶるなか、今晩の米8月消費者物価指数(CPI)の発表を前に様子見ムードが強まっている。前日の米10年債利回りはほぼ横ばい。米10年債入札は堅調だったようだが、最高落札利回りは2007年以来の高水準を記録。インフレ高止まりと米財務省の国債発行拡大を受けて高い利回りが要求されているようだ。
 
米8月CPIは、食品・エネルギーを除いたコア指数は前年同月比+4.3%と7月(+4.7%)から鈍化が予想されている。一方、全体を示す総合CPIは同+3.6%と7月(+3.2%)から加速が予想されている。モメンタムを示す前月比ではコア指数が+0.2%と7月(+0.2%)から横ばい、総合は+0.6%と7月(+0.2%)から大きく加速する見通しだ。
 
12日、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエイト、期近物)は一時1バレル=89.37ドルと昨年11月以来の水準にまで上昇し、年初来高値更新トレンドを続けている。昨日発表された石油輸出国機構(OPEC)の月報で、サウジアラビアの減産延長により、世界の石油市場は10-12月期に日量300万バレル超の供給不足、過去10年余りで最大の供給不足に直面する見通しが示されたことが材料視された。
 
原油市況の上昇が警戒されているなか、市場は今回の米CPIで、コアCPIの鈍化よりも総合CPIの加速の方をネガティブに捉える可能性があり、米金利上昇が誘発する株安には注意を払いたい。
 
 
 



東証株価指数(TOPIX)が4.78ポイント安の2375.13と反落した。JPXプライム150指数も反落し、前引け時点で前日比4.32ポイント(0.41%)安の1038.82だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆7736億円、売買高は7億2605万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1196と、全体の6割強を占めた。値上がりは582銘柄、横ばいは57銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)では精密機器、電気機器、建設業の下落が目立った。上昇はゴム製品、保険業、海運業など。
 
個別ではソフトバンクグループ(SBG)が軟調、キーエンス、リクルート、第一三共、デンソーも安い。IHIも下値模索。三井ハイテックが急落したほか、ラクスルも大幅安。ネクステージも下げが続いている。
 
半面、川崎汽船が商いを伴い高く、トヨタ自動車も堅調。三菱UFJフィナンシャル・グループなどメガバンクもしっかり。KDDIやファストリ、ブリヂストンは買われた。ソシオネクストが堅調。INPEXも買い優勢。gumiが値上がり率トップに買われ、JCRファーマも大幅高だった。

 

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