3日ぶり反発331ドル高、米経済指標を好感

14日のNYダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発し、前日比331ドル58セント(0.95%)高の3万4907ドル11セントで終えた。
14日の英半導体設計のアーム・ホールディングスの上場が好調な滑り出しとなり、投資家心理の改善につながった。朝方発表の米経済指標を受けた買いも入り、景気敏感株を中心に買いが広がった。ダウ平均の上げ幅は400ドルを超える場面もあった。

ナスダック市場に上場したソフトバンクグループ傘下の英半導体設計大手アームの終値は、63.59ドルと公開価格を24.7%上回った。同社への成長期待が背景にある。アーム株上場も好材料になり、相場を支えた。

この日発表された8月の米小売売上高は前月比0.6%増と、市場予想(0.2%増=ロイター通信調べ)を上回った。ただ、市場では「米経済が底堅い上、金融引き締めが長引くほど強い内容ではない」との見方が広がり、建設機械大手キャタピラーなどの景気敏感株や、JPモルガン・チェースといった金融株に買いが入った。

いずれも原油などエネルギー高の影響が大きく、来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備理事会(FRB)が政策金利を据え置くとの見方は変わらないと受け止められた。「米消費が依然として底堅く、米経済はソフトランディング(軟着陸)に向かう」との声も聞かれた。

欧州中央銀行(ECB)は14日の理事会で、10会合連続の利上げを決めたものの、利上げの打ち止めを示唆したとの見方が広がった。中国でも景気刺激策の観測が改めて浮上したことも、米株式相場の支えとなった。

個別銘柄では、金融のゴールドマン・サックスや同業のJPモルガン・チェースが買われた。前日は下げが目立った景気敏感株の一角が買い直され、建機のキャタピラーや化学のダウが高い。ハイテク株も買われ、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトが上昇した。

ナスダック総合株価指数は続伸し、前日比112.468ポイント(0.81%)高の1万3926.053で終えた。交流サイトのメタプラットフォームズやネット検索のアルファベット、電気自動車のテスラが買われた。

 


【シカゴ日本株先物概況】

14日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比545円高の3万3180円で終えた。英半導体設計アーム・ホールディングスの上場が良好な滑り出しとなったのに伴い投資家心理が強気に傾いた。米小売売上高などの経済指標に好感が広がり、米株式相場が3日ぶりに反発した。
東京株式市場でも日経平均株価が大幅高となっており、日経平均先物にも買いが波及した。

シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
33180 ( +200 )

シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
33230 ( +250 )

( )は大阪取引所終値比

【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7673.08(+147.09)

14日のFTSE100種総合株価指数は大幅に反発した。前日に比べ147.09ポイント(1.95%)高の7673.08と、7月31日以来の高値で取引を終えた。中国人民銀行(中央銀行)が14日、預金準備率を引き下げると発表し、同国景気の回復期待が投資家心理を明るくした。原油先物相場の上昇や、外国為替市場での対ドルでの英ポンド安も好感された。資源やエネルギーセクターのほか、医薬品など海外売上高比率の高い輸出関連銘柄も上昇した。

FTSE100は、構成銘柄の9割が上昇。鉱業大手アングロ・アメリカンが7.74%高と上昇幅トップだったほか、通信大手エアテル・アフリカが6.40%高、資源大手リオ・ティントが4.73%高と続いた。賭け屋大手エンテインは0.90%安、医療機器大手スミス・アンド・ネヒューが0.84%安だった。

■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15805.29(+151.26)

14日のドイツ株価指数(DAX)は3日ぶりに反発した。前日に比べ151.26ポイント(0.96%)高の1万5805.29で取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が利上げを打ち止めるとの観測やドイツ長期金利の低下が好感された。米株高が堅調に推移しているのも投資家心理を押し上げた。ヘルスケアや化学、ハイテクなど幅広いセクターが買われた。
では、不動産大手ボノビアが5.12%高。エネルギー大手シーメンス・エナジーが4.20%高、医療大手メルクは3.00%高と買われた。一方、高級車メーカーポルシェは2.13%安、日用品大手ヘンケルは1.69%安と売られた。

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7308.67(+86.10)

フランスCAC40種指数は1.19%高だった。
欧州中央銀行(ECB)が追加利上げを決めたことを受け、欧州市場は上昇した。
 

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