未来予想図

3連休明けのNY株式市場は下落。
原油先物価格の下落を受けてエネルギー・金融セクターが軟調。

IT関連が堅調という動きだった。
4月の個人消費支出は前月比0.4%増で4カ月ぶりの大きな伸び。
前月比の個人消費支出(PCE)物価指数も0.2%上昇。
一方消費者信頼感指数は117.9と市場予想の119.8を下回っての着地。
「市場は地政学リスクや純粋な政治的リスクに敏感だが、
経済や企業収益の点で言えば、現状は悪くない」という解釈だ。
6月の利上げ確率は約89%(前週末は88%)。
ただ「最近の軟調なインフレ指標が継続するようであれば、
FRBは利上げを遅らせることが望ましい」という声も出始めた。
外為市場ではドルが下落。
株安、コモディティー価格下落に加え欧州政治情勢を巡る懸念などが背景。
「安全通貨とされる円とスイスフランに逃避買いが入った」という指摘だ。
VIX(恐怖)指数は10.38%と上昇。
ハイテク株中心の値動きを反映してSOX指数は堅調展開。
欧州株は下落。

日経平均は月曜に続いて4円安。
始値→終値の値幅も4円。
月曜の前引け30円高。
火曜の前引けは106円安。
マイナス水準で前場が終わって後場切り返す展開で日中足のチャートは陽線。
「背景は日銀のETF買い。前場が安かったから、買い物が入ったに過ぎない」という指摘が聞こえる。
「後場高の日」と言う運勢気学的見通しは珍しく実現した。
為替に振られながらも安値はきっちり25日線(19567円)で切り返し。
25日線がサポートしているということになろう。
終値ベースではプラス0.6%かい離まで接近してきた。
そして安値水準では日経平均のPERは一時14倍を割れたが、そこからの切り返しでもあった。
「ソフトバンクが1月高値に接近して時価総額は三菱UFJと逆転。
東証1部市場で第4位に浮上」というのは明るいニュースだろう。
新高値銘柄は130(前日119)、新安値銘柄は72(前日51)と増加。
騰落レシオは141.01%まで低下した。
225先物大証夜間取引終値は日中比40円安の19630円。
松井証券信用評価損益率速報で売り方は▲11.834%(前日▲11.485%)。
買い方は▲4.981%(前日▲5.163%)。
依然買い方有利の状況。
26日時点の信用取引買い残は2兆4512億円と前週比543億円増加。
増加は2週連続。
信用売り残は前週比673億円増加し1兆201億円と1兆円台に乗せた。
信用倍率は2.4倍。
ボリンジャーのプラス1σは19913円、マイナス1σは19222円。
レンジは狭まってきた。
「勝手雲」の上限19655円をキープできるかどうかが課題の月末水曜日。
「ドレッシング」なんてことはないのだろう。
空売り比率40%台と鶏卵価格の下落が気にかかる。

昨日の日経では「成長の壁、新技術で克服」の見出し。
経済産業省が第4次産業革命の実現に向けた「新産業ビジョン」をまとめたと報じられている。
自動運転・労働生産性2%アップ、健康でいられる年齢の5年延長。
そして公共データの開放などでの地域活性化。
2030年を照準とした成長戦略はジワジワと相場に効いてくる気がする。

そして今朝の朝刊では「即効薬なき成長未来図」の見出し。
昨日開催された「未来投資会議」の概略である。
登場したのは、確かに変わり映えはしない戦略。
しかしコロコロ変わるよりは霞が関と永田町が腰を据えた戦略と読めなくもない。
【健康寿命の延伸】
健康・医療・介護データの一元化
オンライン診療、AI診察、介護ロボット
【移動革命の実現】
トラックの後続無人走行、無人自動走行、ドローンによる配送
【サプライチェーンの近代化】
IoT活用のスマート保安対応、複数企業のデータ連携
【インフラ・まちづくり】
公共工事の3Dデータをオープン、
インフラ点検・災害対応ロボットの開発
【フィンテック】
銀行のシステム接続仕様のオープン化
新たな決済サービスの創出
実証実験ハブでチャレンジを容易に

NYダウは50ドル安の21029ドルと続落。
NASDAQは7ポイント安の6203ポイントと8日ぶりの反落。
S&P500は2ポイント安の2412ポイント8日ぶりの反落。
ダウ輸送株指数は12ポイント安の9163イント。
3市場の売買高は56.8億株と低調。
CME円建ては大証比45円安の19625円。
ドル建ては大証比50ポイント安の19620ポイント。
大証夜間取引は日中比40円安の19630円。
ドル円は110.82円。
10年国債利回りは2.208%。
非公式外資系動向は売り820万株、買い550万株。
金額ベースは11億円の売り越し(2日連続)。
売りは機械・陸運・食品・保険・ゲーム・精密セクターなど。
買いは商社・化学・電機・その他製品・食品・通信・サービスセクターなど。

◇━━━ カタリスト ━━━◇

丸和運輸機関(9090)・・・動兆

丸和運輸機関に注目する。
同社は小売業に特化した3PL(物流一括請負)が中核で低温物流に注力。
「桃太郎便」ブランドで宅配も手掛けている。
業績は好調。
食品が牽引しネットスーパーも拡大。
今3月期は売上高720億円(前期比7.2%増)、営業利益49.5億円(同12.5%増)の見通し。
中国業務進出に期待感。
日経1面の「トラック運賃、適正に」の報道も追い風。

(兜町カタリスト櫻井)

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