15日のNYダウ工業株30種平均は反落し、前日比288ドル87セント(0.8%)安の3万4618ドル24セントで終えた。
ダウは朝方から米長期金利上昇を眺めて割高感が意識されやすいハイテク株主導で売りが優勢な展開。前日の上昇を受けた利益確定の動きも出て、終日軟調な値動きが続いた。
米長期金利は前日比0.04%高い(債券価格は安い)4.33%に上昇する場面があった。同日発表の8月の輸出入物価指数の前月比の伸びが加速した。8月の鉱工業生産指数は市場予想を上回り、ニューヨーク連銀の9月の製造業景況指数も改善した。米原油先物相場が連日で約10カ月ぶりの高値を更新したこともあり、エネルギー高や足元の米景気の底堅さを背景に米金利が高止まりする可能性が意識された。
半導体受託製造大手TSMC(台湾積体電路製造)が顧客の需要に警戒感を示し、高性能半導体製造装置の納入を遅らせるよう主要供給業者に要請したと、ロイター通信が報道。ダウ銘柄ではインテルが下落し、米半導体製造装置大手アプライド・マテリアルズなど、半導体関連銘柄が総じて売られる中、米株主要3指数ではナスダックの下げが最もきつかった。
自動車大手3社の従業員が加盟する全米自動車労組(UAW)と経営側が労使交渉で合意できず、15日に各社の従業員が一部工場でのストライキに突入した。自動車生産は全体で米国内総生産(GDP)の約3%を占めるとされる。ストが長引いた場合の米景気への影響が懸念され、投資家心理を冷やしたとの見方があった。
14日に上場した英半導体設計のアーム・ホールディングスの株高が好感され、前日のダウ平均は330ドル強上げていた。週末や19~20日の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて持ち高を中立に戻す動きがあった。
15日は株価指数と個別株の先物・オプションの売買最終日が重なる「クアドルプル・ウィッチング」だった。持ち高調整の動きに絡んで値動きが大きくなったとの声もあった。
ダウ平均ではソフトウエアのマイクロソフトや顧客情報管理のセールスフォースなど金利上昇局面で割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株の下げが目立った。ホームセンターのホーム・デポなど消費関連株の一角も売られた。
ナスダック総合株価指数は3営業日ぶりに反落し、前日比217.718ポイント(1.6%)安の1万3708.335で終えた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)やエヌビディアの下げが目立ち、アームも売られた。交流サイトのメタプラットフォームズの下げも大きかった。
【シカゴ日本株先物概況】
15日のシカゴ日経平均先物は下落した。12月物は前日比125円安の3万3055円で終えた。米長期金利の上昇に伴う株式の相対的な割高感が意識された。
半導体需要が想定以上に落ち込むとの懸念が浮上したこともハイテク株全般の売りにつながり、相場の重荷となり米株式相場が下落した。
投資家のリスク回避姿勢が強まり、日経平均先物にも売りが優勢となった。
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
15日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ38.30ポイント(0.49%)高の7711.38で取引を終えた。中国当局による景気対策の強化で、同国景気が持ち直すとの期待から資源セクターが買われた。外国為替市場での対ドルでの英ポンド安も好感され、医薬品や日用品など海外売上高比率の高い輸出関連銘柄も上昇した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
15日のドイツ株価指数(DAX)は続伸した。前日に比べ88.24ポイント(0.55%)高の1万5893.53で取引を終えた。欧州株式市場では欧州中央銀行(ECB)が利上げをほぼ終了したとの見方から、買い安心感が続いた。中国当局の景気対策強化や、一部の中国指標が良好な結果となったことも好感された。自動車や小売りなど消費関連銘柄や、資本財や化学セクターなど幅広いセクターが買われた。
■フランス・パリ株価指数
フランスCAC40種指数は0.96%高だった。
