393円と続落、米金融引き締めの長期化観測

 
3日午前の日経平均株価は続落し、前日比393円96銭(1.24%)安の3万1365円92銭で前場を終えた。
きょう前場は主力株をはじめ広範囲にリスクを回避する売りが優勢となった。日経平均株価は安く始まった後も下値を模索する展開で、一時500円ほど下落する場面もあった。前日は欧州株市場が全面安だったほか、米国株市場でもNYダウが続落するなど買い手控え感が強い地合いだった。欧米ともに長期金利の上昇を嫌気する形で売りがかさんでおり、東京市場でもこの流れを引き継ぐ形で見送りムード一色に染まっている。業種別では鉱業、石油、非鉄など資源関連株の下げが目立った。
 
2日発表の9月の米サプライマネジメント協会(ISM)製造業景況感指数が49.0と市場予想(48.0)を上回ったことなどを背景に、米長期金利が一時4.70%と16年ぶりの水準に上昇した。3日の国内債券市場で長期金利は一時0.780%と10年1カ月ぶりの高水準を付け、金利上昇で株式の相対的な割高感が意識した売りも出た。
 
午前の下落で日経平均はチャート分析上で下値支持とされる長期トレンドを示す26週移動平均(3万1619円、2日時点)を割り込み、下げに拍車がかかったとの見方もあった。8月18日に付けた取引時間中の安値安値(3万1275円)を下回る場面もあったが、同水準では押し目買いも入り、日経平均は底堅く推移した。
 
東京証券取引所によると、9月22日申し込み時点の信用取引の買い残高(東京・名古屋2市場、制度信用と一般信用の合計)は3兆7562億円と、8月4日以来の年初来高水準にまで積み上がっていたため、個人投資家の手仕舞い売りなども広がっていそうだ。
 
東京株式市場でのハイテク・グロース(成長)株の下落率は比較的軽微で、むしろ底堅い印象すら抱かせる。むろん、それまでの下落率が大きかったということもあるが、米ナスダック総合指数については4日続伸と金利高に逆行しており、こうした動きは注目に値しよう。今週の米雇用関連の指標で労働市場の軟化、米長期金利の上昇一服が確認されれば、ハイテク・グロース株への物色シフトが一段と進む可能性がありそうだ。
 
 


 
東証株価指数(TOPIX)が22.40ポイント安の2292.04は続落した。JPXプライム150指数は前引け時点で8.34ポイント(0.83%)安の997.37だった。
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆8034億円、売買高は7億8644万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1397と、全体の7割強を占めた。値上がりは391、変わらずは46銘柄だった。
 
 
業種別株価指数(33業種)では鉱業、石油・石炭製品、非鉄金属の下落が目立った。上昇は空運業、食料品の2業種だった。
 
個別では、ファストリ、ダイキン、レーザーテック、東京エレクトロンなどが安く、トヨタ自動車、安川電機、コマツも軟調。三菱商事、INPEXやENEOSなど資源関連も売られた。三菱重工業が値を下げ、日本製鉄も軟調。ネクステージが急落、ダイセキ環境ソリューションの下げも目立つ。
 
半面、リクルートホールディングスが堅調、ソニーグループも底堅い。東ガスが高い。ソニーGやキリンHDが買われた。さくらインターネットが値上がり率トップに買われたほか、リズム、ブロードリーフなども値を飛ばした。

 

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