5日のNYダウ工業株30種平均は小幅に反落し、前日比9ドル98セント(0.03%)安の3万3119ドル57セントで終えた。
ダウ平均は、雇用統計に対する警戒感から昼過ぎにかけて売りが先行したが、午後は長期金利の低下が好感されハイテクやヘルスケア関連の銘柄を中心に買いが入った。終盤はマイナス圏とプラス圏を行き来する方向感のない展開になった。
雇用統計では、利上げ局面でも底堅さを保ってきた労働市場に落ち着きの兆しがみられるかが注目される。
市場では「雇用者数よりも時給や失業率がポイントになる。もし時給が前月比で0.5%も伸びていれば、株は売られるだろう」との声が聞かれた。
米長期金利は足元で急ピッチで上昇してきたため、市場予想から下振れすれば「大幅に低下する可能性もある」との見方もあった。発表後の株式と債券相場の反応が読みにくく、雇用統計を見極めたい雰囲気が強かった。
朝方発表の週間の米新規失業保険申請件数は20万7000件と前の週(20万5000件)から小幅に増えたものの、ダウ・ジョーンズ通信がまとめた市場予想(21万件)を下回った。米長期金利は朝方に4.77%(前日終値は4.73%)に上昇する場面があったが、その後は4.7%台前半で推移した。米長期金利の上昇一服は投資家心理を支えた。
個別では飲料のコカ・コーラが5%弱下げた。化学のダウや建機のキャタピラーなど景気敏感株に売りが優勢だった。一方、映画・娯楽のウォルト・ディズニーやクレジットカードのビザなど消費関連株が買われた。製薬のメルクや医療保険のユナイテッドヘルスなどディフェンシブ株の一角も上昇した。
ナスダック総合株価指数も小幅に反落し、前日比16.176ポイント(0.12%)安の1万3219.834で終えた。ネット通販のアマゾン・ドット・コムや電気自動車のテスラが下落した。一方、アナリストが楽観的な需要見通しを示した画像処理半導体のエヌビディアは買われるなど主力株はまちまちだった。
【シカゴ日本株先物概況】
5日のシカゴ日経平均先物は上昇した。12月物は前日比320円高の3万1030円で終えた。
9月の米雇用統計の発表を翌日に控え、5日の米株式相場は売り買いが交錯する中を小幅反落した。
東京株式市場で日経平均株価が大幅に上昇した流れを引き継いだ。
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
31030 ( +10 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
31055 ( +35 )
( )は大阪取引所終値比
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
